著者は田中ロミオさん、イラストはmebaeさんです。

思春期のオタクにありがちな、妄想を異常に肥大させてしまうという、いわゆる「中二病」のお話です。
「中二病風の話」なのではなく、中二病そのものがネタに使われたお話です。
魔女や呪術は言うに及ばず、「飛霊(ヒューレイ)」とか「万里眼」とか「多元異世界ゼウスヘイム」とか「邪神エフェソスメア」とか「サイコダイヴ」とか、そういう単語がもういいからってほどにズラズラ出てきます。
ですが、舞台は現実です。不思議なことが介在する余地など微塵もない、悲しいほどに冷たい現実です。
なので、登場人物の大半は、そうした一般的に見てイタい設定を掲げる人々は、当然のように冷酷無比な扱いを受けます。そして主人公も、彼ら彼女らを冷たくあしらう側の人間です。
こうして設定を見てみますと、なんといいますか、痛々しい話です。それはもう、手の施しようがないほどに痛々しい話です。
舞台は現実で、妄想戦士(ドリームソルジャー)達はひたすらに痛ましくて、それ以外の一般人の反応は冷酷で、対応は残酷で、それはもう閉塞感さえ覚えるほどにどうにもならない世界です。
そんな世界でヒロインは、己の「設定」を頑なに貫こうとする少女であり、主人公は、そういった行動を憎悪するほどに嫌う少年です。
少年は巻き込まれ続け、当然対価など得ることはできず、クラスでは孤立していき、果てには虐めにまで発展します。
絶望的です。
あとで思い返し、クッションに頭を突っ込んで足をバタバタさせるくらいじゃ到底足りません。思い出すたびに後悔の念に駆られて叫びだす程度では、まったく追いつかないのです。
「中二病」とは、後々にまで深い傷跡を残す、恐るべき病なのです。
しかしこれが、面白いんです。
痛快なんです。
一気に読んでしまうんです。
最後の方の主人公は、本当に格好良かったのです。あれこそまさに、「勇者」でした。職業やクラスなどではなく、勇気を携えし者という、本質的な意味での「勇者」です。
客観的に見れば、とてもそうは呼べないかもしれません。ですがその行動の意味は、間違いなく本物でした。意味が本物であるなら、それを宿す体も本物であってしかるべきです。だからこそ、主人公は「勇者」でした。
ややヌルいかなという感はあります。実際のイジメは、もっと陰湿で凄惨なものだと思います。
主人公を取り巻く環境も、恵まれすぎていると言えます。
そういった部分の描写の甘さは、本著の欠点と言っていいでしょう。
ですが、それを差し引いてなお、万雷の拍手を浴びせるに足るほどに、この物語は面白かったです。おかげで一気に読み切ってしまいました。睡眠時間が足りません…

思春期のオタクにありがちな、妄想を異常に肥大させてしまうという、いわゆる「中二病」のお話です。
「中二病風の話」なのではなく、中二病そのものがネタに使われたお話です。
魔女や呪術は言うに及ばず、「飛霊(ヒューレイ)」とか「万里眼」とか「多元異世界ゼウスヘイム」とか「邪神エフェソスメア」とか「サイコダイヴ」とか、そういう単語がもういいからってほどにズラズラ出てきます。
ですが、舞台は現実です。不思議なことが介在する余地など微塵もない、悲しいほどに冷たい現実です。
なので、登場人物の大半は、そうした一般的に見てイタい設定を掲げる人々は、当然のように冷酷無比な扱いを受けます。そして主人公も、彼ら彼女らを冷たくあしらう側の人間です。
こうして設定を見てみますと、なんといいますか、痛々しい話です。それはもう、手の施しようがないほどに痛々しい話です。
舞台は現実で、妄想戦士(ドリームソルジャー)達はひたすらに痛ましくて、それ以外の一般人の反応は冷酷で、対応は残酷で、それはもう閉塞感さえ覚えるほどにどうにもならない世界です。
そんな世界でヒロインは、己の「設定」を頑なに貫こうとする少女であり、主人公は、そういった行動を憎悪するほどに嫌う少年です。
少年は巻き込まれ続け、当然対価など得ることはできず、クラスでは孤立していき、果てには虐めにまで発展します。
絶望的です。
あとで思い返し、クッションに頭を突っ込んで足をバタバタさせるくらいじゃ到底足りません。思い出すたびに後悔の念に駆られて叫びだす程度では、まったく追いつかないのです。
「中二病」とは、後々にまで深い傷跡を残す、恐るべき病なのです。
しかしこれが、面白いんです。
痛快なんです。
一気に読んでしまうんです。
最後の方の主人公は、本当に格好良かったのです。あれこそまさに、「勇者」でした。職業やクラスなどではなく、勇気を携えし者という、本質的な意味での「勇者」です。
客観的に見れば、とてもそうは呼べないかもしれません。ですがその行動の意味は、間違いなく本物でした。意味が本物であるなら、それを宿す体も本物であってしかるべきです。だからこそ、主人公は「勇者」でした。
ややヌルいかなという感はあります。実際のイジメは、もっと陰湿で凄惨なものだと思います。
主人公を取り巻く環境も、恵まれすぎていると言えます。
そういった部分の描写の甘さは、本著の欠点と言っていいでしょう。
ですが、それを差し引いてなお、万雷の拍手を浴びせるに足るほどに、この物語は面白かったです。おかげで一気に読み切ってしまいました。睡眠時間が足りません…
著者は伏見つかささん、イラストはかんざきひろさんです。

オビに「乃木坂春香さんも大絶賛!!」とありますが、なるほど本著とかの作品は似ているようです。
厳密にどの程度似ているのかは、「乃木坂春香の秘密」を読んだことがなく、アニメを観たこともない私には考察のしようもありませんが、基本設定だけを考えると、似ていると言っても差し支えのないレベルであるように思えます。
というわけで、微妙な年頃に差し掛かった妹と疎遠になっていた兄が、ひょんなことから妹の秘密を知ってしまい、騒動に巻き込まれていく…といった感じのお話です。
序盤は割かしハイテンションに進んでいき、インターネット上のサイトが実名で登場したり、とあるモノについての説明がやたらと具体的だったりと、よりオタクであるほど共感して楽しめる雰囲気になっています。
この感覚は、割と最近に味わった覚えがあります。これは、アニメの「らき☆すた」や、「さよなら絶望先生」を観ている時であったり、ニコニコ動画を見ている時に味わったのと、同じものです。
オタクの持つ知識へ訴えかけ、世界観へ一気に引きずり込む──
というのが、本著の前半部分になります。
後半に入りますと、そういった部分はすっかり影をひそめ、一転してシリアスな雰囲気となっていきますが、その時には既に、物語に引き込まれてしまった後です。
そんな感じで、一気に読み終えてしまいました。
「十三番目のアリス」は、ひたすらにつまらないとしか思わず、1巻を読んだ時点で切った覚えがあったのですが、いやはや化けたものです。随分と読みやすくなっていました。
しかも、面白いです。
型にはまったキャラ設定やシナリオではあるのですが、丁寧に書かれているので読みやすく、かつ楽しめます。
魔法や超能力といった非現実の要素が一切出てこないことや、“妹”が主人公に対し、まったくと言っていいほど媚びないところも、個人的には好感触でした。
だからこそ、あのオチが活きてくるわけです。
この話の流れ的に、オチはああなる以外に無いとさえ言っていいと思うのですが、そのあたりも含めて本著は極めて王道的で、予定調和で、そして安心して読める物語でした。
エロゲーに出てくるような兄妹も悪くはありませんが、兄妹で萌えというなら、やはりこのようにあるべきだと私は思います。

オビに「乃木坂春香さんも大絶賛!!」とありますが、なるほど本著とかの作品は似ているようです。
厳密にどの程度似ているのかは、「乃木坂春香の秘密」を読んだことがなく、アニメを観たこともない私には考察のしようもありませんが、基本設定だけを考えると、似ていると言っても差し支えのないレベルであるように思えます。
というわけで、微妙な年頃に差し掛かった妹と疎遠になっていた兄が、ひょんなことから妹の秘密を知ってしまい、騒動に巻き込まれていく…といった感じのお話です。
序盤は割かしハイテンションに進んでいき、インターネット上のサイトが実名で登場したり、とあるモノについての説明がやたらと具体的だったりと、よりオタクであるほど共感して楽しめる雰囲気になっています。
この感覚は、割と最近に味わった覚えがあります。これは、アニメの「らき☆すた」や、「さよなら絶望先生」を観ている時であったり、ニコニコ動画を見ている時に味わったのと、同じものです。
オタクの持つ知識へ訴えかけ、世界観へ一気に引きずり込む──
というのが、本著の前半部分になります。
後半に入りますと、そういった部分はすっかり影をひそめ、一転してシリアスな雰囲気となっていきますが、その時には既に、物語に引き込まれてしまった後です。
そんな感じで、一気に読み終えてしまいました。
「十三番目のアリス」は、ひたすらにつまらないとしか思わず、1巻を読んだ時点で切った覚えがあったのですが、いやはや化けたものです。随分と読みやすくなっていました。
しかも、面白いです。
型にはまったキャラ設定やシナリオではあるのですが、丁寧に書かれているので読みやすく、かつ楽しめます。
魔法や超能力といった非現実の要素が一切出てこないことや、“妹”が主人公に対し、まったくと言っていいほど媚びないところも、個人的には好感触でした。
だからこそ、あのオチが活きてくるわけです。
この話の流れ的に、オチはああなる以外に無いとさえ言っていいと思うのですが、そのあたりも含めて本著は極めて王道的で、予定調和で、そして安心して読める物語でした。
エロゲーに出てくるような兄妹も悪くはありませんが、兄妹で萌えというなら、やはりこのようにあるべきだと私は思います。
・紅〜醜悪祭(上)〜
・紅〜醜悪祭(下)〜
この上下巻だけでは微妙という印象です。
そもそもまだ完結していませんので、物語としての評価は現時点では決められません。
それよりも、イラストを描いている山本ヤマト氏の画風がまるっきり変わっていることに驚かされました。
以前は、もう少し等身高めといいますか、リアル寄りの画風だったのですが、それがだいぶ可愛らしく、一般的な萌え絵に近付いた感じです。
これはこれで悪くないとは思いますが、以前の方が「紅」の作風には合っていたようにも思います。
とはいえ、現在漫画化されていることを考えれば、今の絵柄の方がそれには相応しいとも思えますので、結局は変化してよかったということなのでしょう。
・人類は衰退しました2
独特の世界観であり、ストーリー上特に大きな山も谷もなく、燃えるようなバトルや萌えるようなキャラが多数あるわけでもありませんが、それが不思議と面白い。これこそ、エロゲプレイヤーの間で田中ロミオ氏が神聖視される由縁なのでしょう。
この優しくも退廃的な世界観は、ありそうでなかなかないので、それを味わえるという意味で、貴重な作品と言えるかもしれません。
・天元突破グレンラガン3
1巻でかるく絶望し、2巻で更にその下をいき、もう買うのをやめようかとも思っていたのですが、3巻はアニメ版の脚本担当である中島かずき氏が手掛けられると聞いて、一縷の望みを託してみました。
結果、大当たり。何故1巻からを中嶋かずき氏が手掛けなかったのかと惜しまれてなりません。同じストーリーの作品であっても、書き手が違うだけでこうも面白さが変わるものなのですね。
ストーリーはアニメ版とほぼ同じですが、細かい設定の補完があったりしますので、アニメ版のファンであるなら読んでおいて損はないかと思います。
・えむえむっ!4
なんだか、展開がワンパターンになってきたように思います。
新キャラを登場させるなどしてテコ入れをしているのはわかるのですが、それが実を結んでいないと申しましょうか。
正直、微妙でした。
・乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワール
ゲーム版のノベライズではなく、アフターストーリーです。貴子ルートのエンディング後の話となっており、執筆しているのはゲーム版のシナリオライターである嵩夜あやさんです。
特殊な設定を持つエロゲーであった原作からは一転し、本作は百合百合な作風となっており、ゲーム版のプレイヤーのみならず、そちらの方面でも楽しめる内容となっています。
とはいえ、登場キャラクターの殆どは、ゲーム版と同じであり、そちらをプレイ済みであることを半ば前提とした形でシナリオが進んでいきますので、やはりゲーム版プレイヤー向けの内容であるとは思います。
そのゲーム版プレイヤーである私の感想としましては、率直に言って可もなく不可もなく。とりたてて面白いわけではありませんが、ゲーム版のその後を補完する作品という意味では有意であると言えるかもしれません。
・おと×まほ3
・おと×まほ4
設定の根幹部分以外はごく真っ当な魔法少女モノのストーリーであり、“王道”と聞いて反応してしまう人ならそれなり以上に楽しめるであろう内容です。
そしてその設定の根幹部分、「主人公が女装少年」というところに心惹かれる方なら、評価が更にワンランク変わってくると思います。
萌え偏重気味なストーリーと思わせておいて、大事なところではしっかりと盛り上げてくれるところもポイントです。
なお、4巻は短編集となっています。こちらは真に萌え偏重気味の内容です。アニメでいうところの“温泉回”となっており、イラスト担当のヤス氏によるサービスカット的なものもあったりなかったり。
3巻、4巻共に、割と楽しめました。
・紅〜醜悪祭(下)〜
この上下巻だけでは微妙という印象です。
そもそもまだ完結していませんので、物語としての評価は現時点では決められません。
それよりも、イラストを描いている山本ヤマト氏の画風がまるっきり変わっていることに驚かされました。
以前は、もう少し等身高めといいますか、リアル寄りの画風だったのですが、それがだいぶ可愛らしく、一般的な萌え絵に近付いた感じです。
これはこれで悪くないとは思いますが、以前の方が「紅」の作風には合っていたようにも思います。
とはいえ、現在漫画化されていることを考えれば、今の絵柄の方がそれには相応しいとも思えますので、結局は変化してよかったということなのでしょう。
・人類は衰退しました2
独特の世界観であり、ストーリー上特に大きな山も谷もなく、燃えるようなバトルや萌えるようなキャラが多数あるわけでもありませんが、それが不思議と面白い。これこそ、エロゲプレイヤーの間で田中ロミオ氏が神聖視される由縁なのでしょう。
この優しくも退廃的な世界観は、ありそうでなかなかないので、それを味わえるという意味で、貴重な作品と言えるかもしれません。
・天元突破グレンラガン3
1巻でかるく絶望し、2巻で更にその下をいき、もう買うのをやめようかとも思っていたのですが、3巻はアニメ版の脚本担当である中島かずき氏が手掛けられると聞いて、一縷の望みを託してみました。
結果、大当たり。何故1巻からを中嶋かずき氏が手掛けなかったのかと惜しまれてなりません。同じストーリーの作品であっても、書き手が違うだけでこうも面白さが変わるものなのですね。
ストーリーはアニメ版とほぼ同じですが、細かい設定の補完があったりしますので、アニメ版のファンであるなら読んでおいて損はないかと思います。
・えむえむっ!4
なんだか、展開がワンパターンになってきたように思います。
新キャラを登場させるなどしてテコ入れをしているのはわかるのですが、それが実を結んでいないと申しましょうか。
正直、微妙でした。
・乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワール
ゲーム版のノベライズではなく、アフターストーリーです。貴子ルートのエンディング後の話となっており、執筆しているのはゲーム版のシナリオライターである嵩夜あやさんです。
特殊な設定を持つエロゲーであった原作からは一転し、本作は百合百合な作風となっており、ゲーム版のプレイヤーのみならず、そちらの方面でも楽しめる内容となっています。
とはいえ、登場キャラクターの殆どは、ゲーム版と同じであり、そちらをプレイ済みであることを半ば前提とした形でシナリオが進んでいきますので、やはりゲーム版プレイヤー向けの内容であるとは思います。
そのゲーム版プレイヤーである私の感想としましては、率直に言って可もなく不可もなく。とりたてて面白いわけではありませんが、ゲーム版のその後を補完する作品という意味では有意であると言えるかもしれません。
・おと×まほ3
・おと×まほ4
設定の根幹部分以外はごく真っ当な魔法少女モノのストーリーであり、“王道”と聞いて反応してしまう人ならそれなり以上に楽しめるであろう内容です。
そしてその設定の根幹部分、「主人公が女装少年」というところに心惹かれる方なら、評価が更にワンランク変わってくると思います。
萌え偏重気味なストーリーと思わせておいて、大事なところではしっかりと盛り上げてくれるところもポイントです。
なお、4巻は短編集となっています。こちらは真に萌え偏重気味の内容です。アニメでいうところの“温泉回”となっており、イラスト担当のヤス氏によるサービスカット的なものもあったりなかったり。
3巻、4巻共に、割と楽しめました。
川上未映子『乳と卵』に芥川賞 直木賞は桜庭一樹『私の男』
桜庭さん直木賞受賞を“不健康”に祝う
ライトノベル作家が直木賞を取る時代が、ついに来ました。
受賞作品については、近いうちに読んでみようと思います。
桜庭さん直木賞受賞を“不健康”に祝う
ライトノベル作家が直木賞を取る時代が、ついに来ました。
受賞作品については、近いうちに読んでみようと思います。
読み終えて、総ページ数が400あまりでしかないことに、少し驚きました。やたらと分厚く重いために、文章量も多いという風に思い込んでいましたが、実際は厚めのライトノベル作品と同じ程度でした。
ですが、重く感じていたのは、恐らくそのサイズだけが理由ではありません。この、暗闇を徹底的に煮詰めたかのような、暗く重苦しい内容の“濃さ”こそが、この本を重く感じさせていた最大の要因ではないでしょうか。
著者自らがそうなると予告し、現実に絶望的な終焉を迎えたこの物語。
それを抜きにしても、「Fate」の熱心なファンの方なら、ゼロ以前に公開されていた情報から、この物語の顛末がどのようなものになるのか、おおよそ予想できていたはずです。
少を切り捨てて多を救おうという切嗣の主義とは裏腹に、何を救うこともなくただ崩れていくだけの世界を描いた、この物語。それを重苦しく感じてしまったとしても、仕方のないことと言えるでしょう。
ただ、それが不快かといえば、そうでもないのです。
これだけ凄惨な物語です。読後感もまた、重苦しいものであることは否定できません。
ですが、それは不快感というより、カタルシスへの布石としてのストレスといった方が適切であると思います。
ゼロは、1へと、「stay night」へと至る物語です。その後のハッピーエンドが、予め約束されています。そのため、ゼロがどれほど壊滅的な終わり方を迎えたとしても、不快とは感じないのだと思います。
さて。
細かい話を抜きにして、率直に申しますと、この「フェイト/ゼロ」は、とても面白い作品でした。
外伝と銘打たれてはいますが、何をかいわんや。これだけの作品が、「stay night」の過去として、正史を名乗っていけないわけがありません。
おおよそは予想した通りの展開であったにもかかわらず、それがこんなにも面白い。これもすべて、著者である虚淵玄氏の筆力のなせる業なのでしょう。
氏の作品は、これまで手に取ったことがありませんでしたが、これを機会に手を出してみようかとも思っています。
ですが、重く感じていたのは、恐らくそのサイズだけが理由ではありません。この、暗闇を徹底的に煮詰めたかのような、暗く重苦しい内容の“濃さ”こそが、この本を重く感じさせていた最大の要因ではないでしょうか。
著者自らがそうなると予告し、現実に絶望的な終焉を迎えたこの物語。
それを抜きにしても、「Fate」の熱心なファンの方なら、ゼロ以前に公開されていた情報から、この物語の顛末がどのようなものになるのか、おおよそ予想できていたはずです。
少を切り捨てて多を救おうという切嗣の主義とは裏腹に、何を救うこともなくただ崩れていくだけの世界を描いた、この物語。それを重苦しく感じてしまったとしても、仕方のないことと言えるでしょう。
ただ、それが不快かといえば、そうでもないのです。
これだけ凄惨な物語です。読後感もまた、重苦しいものであることは否定できません。
ですが、それは不快感というより、カタルシスへの布石としてのストレスといった方が適切であると思います。
ゼロは、1へと、「stay night」へと至る物語です。その後のハッピーエンドが、予め約束されています。そのため、ゼロがどれほど壊滅的な終わり方を迎えたとしても、不快とは感じないのだと思います。
さて。
細かい話を抜きにして、率直に申しますと、この「フェイト/ゼロ」は、とても面白い作品でした。
外伝と銘打たれてはいますが、何をかいわんや。これだけの作品が、「stay night」の過去として、正史を名乗っていけないわけがありません。
おおよそは予想した通りの展開であったにもかかわらず、それがこんなにも面白い。これもすべて、著者である虚淵玄氏の筆力のなせる業なのでしょう。
氏の作品は、これまで手に取ったことがありませんでしたが、これを機会に手を出してみようかとも思っています。
公式サイトの『コミック/ゲーム』より。
機種はNDSで、2008年初夏の発売を予定しているそうです。
これは驚きました。アニメ化すると知った時以上の衝撃です。
何故こんなに驚いたのかと思い返してみますと、ゲーム化されるライトノベル作品というものが、あまり多くはないためではないかと思い至りました。私の知る限り、DS電撃文庫を除けば、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「ゼロの使い魔」など、一部の著名な作品のみです。
本当にそうだろうかとgoogle先生に聞いてみますと、他にも幾つかの作品がゲーム化されているようでしたが、それでも総数は10に届くかどうかというところでした。
昨今、ライトノベルがアニメの原作として取り上げられることが多くなりました。そしてこの先、ゲームの題材としても取り上げられることが増えていくのかもしれません。
今のところはアニメ化のおまけという印象が強いですが、いずれはキャラゲーとしてではなく、単一のゲームとして楽しめるようなゲーム化も行われるようになるのかもしれません。
機種はNDSで、2008年初夏の発売を予定しているそうです。
これは驚きました。アニメ化すると知った時以上の衝撃です。
何故こんなに驚いたのかと思い返してみますと、ゲーム化されるライトノベル作品というものが、あまり多くはないためではないかと思い至りました。私の知る限り、DS電撃文庫を除けば、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「ゼロの使い魔」など、一部の著名な作品のみです。
本当にそうだろうかとgoogle先生に聞いてみますと、他にも幾つかの作品がゲーム化されているようでしたが、それでも総数は10に届くかどうかというところでした。
昨今、ライトノベルがアニメの原作として取り上げられることが多くなりました。そしてこの先、ゲームの題材としても取り上げられることが増えていくのかもしれません。
今のところはアニメ化のおまけという印象が強いですが、いずれはキャラゲーとしてではなく、単一のゲームとして楽しめるようなゲーム化も行われるようになるのかもしれません。
クリスピー・クリーム・ドーナツが、非常に美味しいです。
知人からのお土産で貰って食べたのですが、そのあまりの美味しさに衝撃を受け、帰宅してからすぐさまネットで調べたほどでした。
日本にはまだ進出してきたばかりで、関東の方に僅か3店舗が展開しているのみだそうで、西日本在住の私としては、残念でなりません。近場にあったなら、喜んで箱買いしに行くのですが。
閑話休題。
著者は長谷敏司さん、イラストは深遊さんです。
シリーズ第6巻となります。

ストーリーには殆ど動きのなかった第5巻とは打って変わり、激動の展開を迎える巻となりました。
法の側に立つ公館、協会、メイゼル。それに反して違法の側に立つワイズマン、国城田、王子護。
そして、そのどちらにも属さない仁。
数多の人々の思惑を孕み、第4巻から続く一連のストーリーにも、これで一応の決着が着いたことになります。
第4、5巻はあまり面白いと感じられず、第1巻の奇跡のような面白さを味わうことはもうないのかと諦めかけていましたが、この第6巻に至って、やや盛り返してきた印象です。魔法を特殊な事象としてでなく、現実世界の物理的な現象として論理的に、かつ圧倒的な迫力を持たせて書く著者の文章が、私は大好きです。
次巻の刊行予定は、新春から春頃にかけてということで、遅延がなければ割と早く手にできそうです。ストーリーもいよいよ核心へと踏み込んでいくであろう第7巻、否応にも期待が高まります。
知人からのお土産で貰って食べたのですが、そのあまりの美味しさに衝撃を受け、帰宅してからすぐさまネットで調べたほどでした。
日本にはまだ進出してきたばかりで、関東の方に僅か3店舗が展開しているのみだそうで、西日本在住の私としては、残念でなりません。近場にあったなら、喜んで箱買いしに行くのですが。
閑話休題。
著者は長谷敏司さん、イラストは深遊さんです。
シリーズ第6巻となります。

ストーリーには殆ど動きのなかった第5巻とは打って変わり、激動の展開を迎える巻となりました。
法の側に立つ公館、協会、メイゼル。それに反して違法の側に立つワイズマン、国城田、王子護。
そして、そのどちらにも属さない仁。
数多の人々の思惑を孕み、第4巻から続く一連のストーリーにも、これで一応の決着が着いたことになります。
第4、5巻はあまり面白いと感じられず、第1巻の奇跡のような面白さを味わうことはもうないのかと諦めかけていましたが、この第6巻に至って、やや盛り返してきた印象です。魔法を特殊な事象としてでなく、現実世界の物理的な現象として論理的に、かつ圧倒的な迫力を持たせて書く著者の文章が、私は大好きです。
次巻の刊行予定は、新春から春頃にかけてということで、遅延がなければ割と早く手にできそうです。ストーリーもいよいよ核心へと踏み込んでいくであろう第7巻、否応にも期待が高まります。
抱き枕は、時に異世界への扉の鍵に例えられます。
抱き枕と申しましても、それ自体はどうということのない、ありふれた物です。安眠の友として、一年を通して愛用されている方は、少なからずいらっしゃるでしょう。
問題なのは、カバーの方です。オタクが口にする「抱き枕」という単語は、多くの場合、マンガやアニメのキャラクターがプリントされたカバーを着けた物を指します。
置き場所の問題や、手入れの煩雑さ、安いとは言えない価格など、入手にあたっては幾つかの障害を乗り越え、心構えを固める必要があります。
ですが、何より大きな障害となるのは、人目へついた際のリスクです。
家族と同居されている方や、寮住まいの方は、手にすることへの抵抗感が大きいのではないかと思います。1人暮らしであれば、気兼ねする相手はいませんが、家への来客が多い場合、購入をためらってしまうのではないでしょうか。
自分のすべてを常にさらけ出しているならともかく、そこまでのレベルに達している方は、実はそれほど多くないのではと思います。抱き枕ほどの大きさになりますと、咄嗟に隠すにしても、物理的にそうできない場合もあるでしょう。
“抱き枕を手にする”ということは、つまり己の欲求の一部分を、いつ何時誰に見られようとも構わないという覚悟を決めるということと同義です。そういう意味で、抱き枕は異世界への鍵であるわけです。
なお、類似の物としましては、きわどい絵柄のポスターや、フィギュアなども含まれると思います。
その異世界へは、いつでも旅立つことができます。ですが、一度行けば、戻ってくることは決してできません。
行けば返せぬ魔性の扉。抱き枕を手にするということは、二度と戻らぬ覚悟を決めるということです。
「狼と香辛料」抱き枕到着/平和の温故知新@はてなさま
旅立ってみたくなりました。
抱き枕と申しましても、それ自体はどうということのない、ありふれた物です。安眠の友として、一年を通して愛用されている方は、少なからずいらっしゃるでしょう。
問題なのは、カバーの方です。オタクが口にする「抱き枕」という単語は、多くの場合、マンガやアニメのキャラクターがプリントされたカバーを着けた物を指します。
置き場所の問題や、手入れの煩雑さ、安いとは言えない価格など、入手にあたっては幾つかの障害を乗り越え、心構えを固める必要があります。
ですが、何より大きな障害となるのは、人目へついた際のリスクです。
家族と同居されている方や、寮住まいの方は、手にすることへの抵抗感が大きいのではないかと思います。1人暮らしであれば、気兼ねする相手はいませんが、家への来客が多い場合、購入をためらってしまうのではないでしょうか。
自分のすべてを常にさらけ出しているならともかく、そこまでのレベルに達している方は、実はそれほど多くないのではと思います。抱き枕ほどの大きさになりますと、咄嗟に隠すにしても、物理的にそうできない場合もあるでしょう。
“抱き枕を手にする”ということは、つまり己の欲求の一部分を、いつ何時誰に見られようとも構わないという覚悟を決めるということと同義です。そういう意味で、抱き枕は異世界への鍵であるわけです。
なお、類似の物としましては、きわどい絵柄のポスターや、フィギュアなども含まれると思います。
その異世界へは、いつでも旅立つことができます。ですが、一度行けば、戻ってくることは決してできません。
行けば返せぬ魔性の扉。抱き枕を手にするということは、二度と戻らぬ覚悟を決めるということです。
「狼と香辛料」抱き枕到着/平和の温故知新@はてなさま
旅立ってみたくなりました。
Cube×CurseS×Curious。
著者は水瀬葉月さん、イラストはさそりがためさんです。

中盤を過ぎた頃までは、正直に申しまして、凡庸という印象でした。設定も世界観も取り立てて目新しいものでもなく、「ぼくと魔女式アポカリプス」を一旦置いて、わざわざ新シリーズを開始してまで書くべき内容とは思えなかったのです。
しかし、その印象は終盤へ至って覆ることとなります。
死闘を繰り広げている場所へ、何の力も持たない一般人がのこのこ近付いていけば、大抵は巻き添えを喰って殺されてしまいます。彼女もまた、そうなるはずでした。そうなるものと思っていました。
ですが結果は、あの通りです。
意外ではありましたが、では何故意外に思ったのかと申しますと、それは「ボクと魔女式アポカリプス」のイメージを引きずっていたからに他なりません。かの作品であれば、彼女はあの場所で、無惨に殺されてしまっていたでしょう。
なるほど、「白水瀬と黒水瀬の融合した、灰色ならぬ銀水瀬」というのは、言い得て妙です。死ぬだろうと思ったところで死なないのは、ちょっとした驚きでした。
そして、ここでの驚きが、本著を凡庸の一言で片付けさせなかった主要因です。
とは申せ、その驚きと、本著が単一の作品として面白いかということは、別の問題です。その点で言えば、本著の評価はかなり微妙な感じになります。
と言いますのは、本著は続巻を強く意識した構成となっており、本巻ではそのさわりの部分、世界設定と、登場キャラクターの紹介程度しかなされていません。肝となるストーリーを評価する段階に、まず達していないのです。
そのため、本著を評するならば、ストーリー以外の別の部分に着目する形になります。
本作品は、美少女、呪い、姉、妹、巨乳、貧乳、眼鏡、委員長と、萌え属性に関しては多方面に対応しており、広い需要をカバーできるものと思われます。
また、作者的には微エロなのだそうですが、私には普通にエロく感じられました。
実際にどの程度かという問いには、表紙を御覧下さいとお答えいたします。
白と水色の縞々パンツ、しかも紐。それに加えて黒のニーソックス。
どなたの趣味かは存じませんが、なかなかにツボを弁えていらっしゃいます。これが、本著のヒロインです。
更に申しますと、実際の本にはオビが付いており、パンツのところがうまく隠れるようになっています。
これをやろうと思った人、著者氏かイラスト担当の方かはわかりませんが、並の変態ではありません。「隠した状態こそが最もエロい」という世の真理を、深く理解していらっしゃいます。
そして極め付きなのが、エピローグの主人公とヒロインのやり取りです。
もう完全に、エロゲーの世界です。
一応オチはあるのですが、「元の姿で一番大事な部分を触られるというのは、人間体での一番大事な部分を触られるのと同じようなもの」というこのはさんの説明によって、オチの意味も微妙に無くなってしまっています。
これが著者、水瀬葉月さんにとっての微エロなのです。本気を出したら、一体どのようなことになってしまうのでしょう。もはや想像もできません。
簡単にまとめますと、サプライズがあり、萌え萌えで、微エロ(?)な物語という風になります。
総評としては良作、中の中といったところでしょうか。
私の大好きなマンガ作品の中に、手塚治虫先生の「どろろ」があるのですが、本著のヒロインのフィアの設定には、それを思い起こさせるものがあります。
深い余韻の残る、強烈なラストを飾った、かの名作マンガ。それとよく似た設定を持つこのライトノベル作品が、それをどのように料理してくれるのか、以後の展開に期待したいと思います。
著者は水瀬葉月さん、イラストはさそりがためさんです。

中盤を過ぎた頃までは、正直に申しまして、凡庸という印象でした。設定も世界観も取り立てて目新しいものでもなく、「ぼくと魔女式アポカリプス」を一旦置いて、わざわざ新シリーズを開始してまで書くべき内容とは思えなかったのです。
しかし、その印象は終盤へ至って覆ることとなります。
死闘を繰り広げている場所へ、何の力も持たない一般人がのこのこ近付いていけば、大抵は巻き添えを喰って殺されてしまいます。彼女もまた、そうなるはずでした。そうなるものと思っていました。
ですが結果は、あの通りです。
意外ではありましたが、では何故意外に思ったのかと申しますと、それは「ボクと魔女式アポカリプス」のイメージを引きずっていたからに他なりません。かの作品であれば、彼女はあの場所で、無惨に殺されてしまっていたでしょう。
なるほど、「白水瀬と黒水瀬の融合した、灰色ならぬ銀水瀬」というのは、言い得て妙です。死ぬだろうと思ったところで死なないのは、ちょっとした驚きでした。
そして、ここでの驚きが、本著を凡庸の一言で片付けさせなかった主要因です。
とは申せ、その驚きと、本著が単一の作品として面白いかということは、別の問題です。その点で言えば、本著の評価はかなり微妙な感じになります。
と言いますのは、本著は続巻を強く意識した構成となっており、本巻ではそのさわりの部分、世界設定と、登場キャラクターの紹介程度しかなされていません。肝となるストーリーを評価する段階に、まず達していないのです。
そのため、本著を評するならば、ストーリー以外の別の部分に着目する形になります。
本作品は、美少女、呪い、姉、妹、巨乳、貧乳、眼鏡、委員長と、萌え属性に関しては多方面に対応しており、広い需要をカバーできるものと思われます。
また、作者的には微エロなのだそうですが、私には普通にエロく感じられました。
実際にどの程度かという問いには、表紙を御覧下さいとお答えいたします。
白と水色の縞々パンツ、しかも紐。それに加えて黒のニーソックス。
どなたの趣味かは存じませんが、なかなかにツボを弁えていらっしゃいます。これが、本著のヒロインです。
更に申しますと、実際の本にはオビが付いており、パンツのところがうまく隠れるようになっています。
これをやろうと思った人、著者氏かイラスト担当の方かはわかりませんが、並の変態ではありません。「隠した状態こそが最もエロい」という世の真理を、深く理解していらっしゃいます。
そして極め付きなのが、エピローグの主人公とヒロインのやり取りです。
もう完全に、エロゲーの世界です。
一応オチはあるのですが、「元の姿で一番大事な部分を触られるというのは、人間体での一番大事な部分を触られるのと同じようなもの」というこのはさんの説明によって、オチの意味も微妙に無くなってしまっています。
これが著者、水瀬葉月さんにとっての微エロなのです。本気を出したら、一体どのようなことになってしまうのでしょう。もはや想像もできません。
簡単にまとめますと、サプライズがあり、萌え萌えで、微エロ(?)な物語という風になります。
総評としては良作、中の中といったところでしょうか。
私の大好きなマンガ作品の中に、手塚治虫先生の「どろろ」があるのですが、本著のヒロインのフィアの設定には、それを思い起こさせるものがあります。
深い余韻の残る、強烈なラストを飾った、かの名作マンガ。それとよく似た設定を持つこのライトノベル作品が、それをどのように料理してくれるのか、以後の展開に期待したいと思います。














