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ヒャッコ5を読んだ

作者はカトウハルアキ。
学校を舞台にした群像劇風マンガの第5巻。

マンガに限った話でもないと思うが、あまりにもキャラが増えすぎると、個々の持ち味が薄まって、全体としての面白さを損なってしまうことが往々にしてある。
このマンガもまた、キャラがどんどん増えていくタイプの作品だ。
だからそのうち面白くなくなっていくのかも、なんて思ってたけど、今のところその兆候は感じられない。
むしろ面白くなってるようにも思う。

理由を考えてみるに、そもそも特定のキャラへ依存した内容ではないということが第一に挙げられるだろう。
一応、四人の主要キャラクターは存在しているのだが、彼女たちに頼っていたのは最初のうちだけで、順次増えていくほかのキャラクターたちへも、今では均等にエピソードが割り振られている。

ここで重要となるのが第二の理由だ。
キャラクターに個性があること。それも生半可なものじゃなく、かなり強烈な個性だ。
だからキャラクターの増加にともなって、その個々にスポットライトのあたる時間が減じていっても、それぞれが主要と言えるくらいの個性を持っているから、持ち味が薄まらない。つまり作品としての面白さが損なわれることもない。
この場合、キャラクターが増えることはプラスに働きこそすれ、マイナスになることはないと言えるだろう。

作者氏の別作品である夕日ロマンスの場合、強い個性を有していたのが主要キャラの数人だけで、ほかのキャラにはそれがなかった。
というかメイン三人の話こそが読んでて面白いものだったので、のちのち登場してきたほかのキャラクターには存在意義自体があまりなかったのだ。
だから、キャラが増えても面白さが希釈される結果にしかなっていなかったように思う。

その前作での失敗を、本作では見事に克服しているように見受けられた。
描きたいキャラやエピソードを、思うまま描いている作品という風に見ることもできるだろう。
けれどそれで面白くできるということは、実は群像劇に向いた作家さんなのかもしれない。


ヒャッコ 5 (Flex Comix)
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テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

影執事マルクの迷走を読んだ

著者は手島史詞。
イラストはCOMTA。
影使いの眼鏡執事が主のために七転八倒するシリーズの第5巻。

今回は短編集となっているのだが、少し変わった趣向が凝らされている。
短編集とはその名の通り、サブキャラクターたちによるサイドストーリーや、主人公の過去話などを短編形式でいくつか綴り、それらを一冊にまとめたものを一般には指す。
その際、メインストーリーからは一旦離れる場合が多いため、幕間とか小休止とか箸休めとか、印象としてはそういったものに近いことが多い。
だからシリーズによっては、短編集の巻であることをわかりやすくするために、副題をつけたり巻数に『.5』をつけたりする。「○○3.5巻」といった具合にだ。
つまるところ短編集というのは、本編とは別個のものとして扱われることが多いのである。

しかしこの本の場合は、短編集を本編のストーリーへ組み込むという珍しい形式をとっているのだ。
本シリーズにおけるメインストーリーの主人公は眼鏡執事のマルク少年なのだが、この巻では彼が仕える主であるエルミナ嬢が主役となっている。
彼女がとあるアクシデントに巻き込まれてしまい、その行く先々で本シリーズ登場キャラたちのサイドストーリーを盗み見るという形式でもって、本編と短編集を融和させているのである。

どうしてそんな面倒なことをしたのかというと、担当氏にそう命じられたからだとあとがきに書いてあった。ついでに担当氏が鬼であるとも。
でも、その甲斐はあったと思う。著者氏が苦労した分、しっかり面白くなっていたからだ。
短編をひとつ読み進めるごとにストーリーも少しずつ進んでいき、最終的には今回のアクシデントも解決されることになる。
その、短編を追う過程で投げ掛けられる問いと、解決によって導かれた答えの流れが、実にスマートで鮮やかだった。
伏線を張って回収する流れのスマートさが著者氏の持ち味だと前巻の感想に書いた覚えがあるけれど、それを再確認させられたかたちだ。
そんでもって、最後の最後にとんでもない爆弾が仕掛けられてもいた。
予想しなかったわけではないけど、もっと先のことになると考えていた。思いのほかの急展開。
次の巻を手に取るときが待ち遠しい。


影執事マルクの迷走 (富士見ファンタジア文庫)

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

這いよれ!ニャル子さん3を読んだ

著者は逢空万太。
イラストは弧印。
クトゥルフの邪神に這いよられてSAN値がごりごり下がるシリーズの第三巻。

一言で言うと微妙だった。
要所要所ではそれなりに面白いのだが、全体としてはそれほどでもないというか。
原因として考えられるのは、パロディネタに頼りすぎなことだと思う。
ちょっとうざいと感じるくらいにてんこ盛りになっていて、それがメインストーリーの良い部分にも悪影響を与えてしまっている。
具体的に言うとテンポが悪くなっているのだ。そこはさらっと流しといても別にいいんじゃね?という場面でもパロディネタを押し通しているので、無駄に冗長に感じられてしまう。
元ネタの九割はわかったので、元ネタが理解できないがゆえのつまらなさってわけでもないと思う。つまりはみだりに使いすぎなのではないか、と。
パロディネタはたしかに面白いが、それはあくまでスパイスとして使うからそう感じるのであって、入れ過ぎてしまえばそりゃあ味もおかしくなってしまおうというもの。何事もほどほどが一番だと思う。

あとは、本著にはトランスセクシャルファンタジー、いわゆるTS、つまりは性別変更的な要素があるのだが、そこをもう少ししっかりやってほしかった。
突如として起こった体の劇的な変化にキャラクターが戸惑う様子とか、性差からくる認識の違いに驚くさまとか、そういったものをもっとじっくりねっとり描写してほしかったのだ。
はい、単なる個人的な好みです。これはあくまで物語を盛り上げるための一要素に過ぎなかったので、そこに濃密さを求めるのは筋違いというものだろう。
それにラノベのヒロインが決してやってはいけないレベルの大業をニャル子さんが成し遂げてもくれたので、それで満足しておこうと思う。あれには正直、卒倒しそうになった。普通思いついてもやりはしないだろうに、それを躊躇なく行う彼女の好奇心には驚嘆せざるを得ない。
つうかこの作品のヒロイン連中は性欲持て余しすぎだ…

そしてニャル子さん強い。
超強い。
さすが原典においても旧支配者筆頭に並ぶ力を持つとされるジョーカー的存在なだけあって、敵が地球に襲来してきたときのベジータくらいの強さなのに、自分は既にフリーザ並という恐るべきインフレっぷり。
主人公からチート呼ばわりされ、シリーズのラスボスは実はこいつなのではと疑われるだけのことはある。
最後の一撃は、仮面ライダーディケイドのファイナルフォームライド+第三次スパロボαの大雷凰の最強技神雷というカオスっぷりだった。

幕引きから見るに、続巻は確実に出ると思われる。というか三月半ばに発売されるそうだ。
今度はパロディネタにはあまり頼らずがんばってほしい。


這いよれ! ニャル子さん 3 (GA文庫)

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

バカとテストと召喚獣第8話を見た

サブタイトルは「暴走と迷宮と召喚獣補完計画」。今回はアニメオリジナル。
予想を裏切らずにエヴァのパロディネタの多い回だった。
格闘ゲームのヴァンパイアや、ガンダムSEEDのネタなんかも交えつつ。

これでもかというほどのエヴァネタの嵐には閉口しそうになったけど、全体としては悪くない出来だったと思う。
召喚獣による戦闘シーンが豊富にあったので、視覚的に楽しめたし、テンポが良かったのでだれずに見ることができた。

サキュバス姫路さんが今回で投入されたので、肝試しのエピソードがアニメ化されることはないと考えてよさそうだ。
肝試しはわりといい話だったので、スルーの可能性が高まってしまったのは結構残念。

明久が点数稼ぎまくってステータスがすごいことになっていた。
あれならもしかすると、今のところの作中最強キャラである学年主任の高橋先生(学園長の隣にいた眼鏡の先生)にも勝てるかもしれない。
ちなみに高橋女史の総合点は姫路さんの倍近くもあり、鞭というシンプルな武器を使いこなして明久たち複数名を圧倒してみせたこともある。封神演技の聞仲みたいなキャラなのである。

ただ、問題がひとつ。
総合点が高すぎると機能不全を起こすはずの黒金の腕輪を、あの点数の明久がなぜ操れたのかということだ。
本来ならば、以前の雄二や秀吉のように、爆発して使い物にならなくなっていたはずだ。
とはいえ現実として正常に動作はできてしまえているので、ならばあの異常事態の中でたまたまうまく動作したと考えるのが妥当なのだろう。
設定に矛盾が生じたのは今回が初めてではないので、気にするだけ無駄という考え方もある。

もはや何のアニメかわからなくなるほどにパロディネタが飛び交いまくってた回だったけど、先述の通り、見終わってみればなかなか面白かったという印象だ。
こういうのもたまには悪くないと思う。

次回サブタイトルは「キスとバストとポニーテール」。
どうやら、出ないと思われていた明久の姉が登場するようである。
名前は吉井玲(あきら)。彼女もまた例に漏れず、一癖も二癖もあるキャラクターだ。
女装が恐ろしく似合うことからもわかるように、実際は端正な顔立ちである明久が、自分を不細工でモテないと思い込んでいる原因は、実は彼女にある。そのことを考えれば、彼女の異常性も容易に推し量れようというものである。
個人的にも好きなキャラクターなので、期待せずにはいられない。

テーマ : バカとテストと召喚獣
ジャンル : アニメ・コミック

ブロッケンブラッド4を読んだ

作者は塩野干支郎次。

主人公は少年であり、魔法少女である。
おまけに人気沸騰中の少女タレントである。
なにを言ってるのかわからないかもしれないが、要は女装少年なのである。
さまざまな理由によって、主には歳の離れた従姉妹のおばお姉さんから強要されることによって、魔法少女になることや女装することや、その姿でアイドルとして働くことを余儀なくされているのである。

主人公自身は、女装癖などかけらも持たない健全で健康な青少年だ。
だが、だからこそ女装が映えるのだとも言える。
自ら好んで女装する男の子というのもたしかにいい。その価値は否定できるものではない。
しかし、「嫌がる子へ無理矢理に」というシチュエーションであるからこそ、女装の魅力を最大限に発揮できるのだとも思う。
その点で言えば、本作の主人公には申し分のない魅力があると評して差し支えないだろう。

とはいえ実は、1巻あたりの頃には女装がそうだと敵に看破されることも多かったのだ。
というより見た目からしてかなり男の子っぽかった。
巻が進むにつれて段々と女の子らしくなっていって、今では男だと宣言しても信じてもらえないほどである。
これは、設定があって無きがごとき本シリーズの作風によるものと考えるのが妥当だとは思う。しかし私は、「女装に慣れて堂に入る演技ができるようになってきた」という説をあえて掲げたい。
理由は単純だ。その方が萌えるからである。

さて肝心の内容の方だけど、そちらは前巻までとさほども変わっていない。時事ネタを絡めたハイテンションなギャグを、ノリと勢いだけで押し通していくという構造だ。
笑えるかどうかという点については人によると思うので触れないでおく。
ただ本作の、何があっても後ろを振り向かずに全力全開で疾走する姿勢は、ギャグが合わなかったとしても好意的に見ることのできるポイントだと思う。

この4巻での特筆すべきところを最後に挙げさせてもらうと、主人公のママと従姉妹のおばお姉さんがエロ可愛かったことがそれにあたる。
シチュエーション的には、活躍の果てに引退したかつての美少女戦士が、子を持つ歳になって十数年ぶりに変身して戦うことになるというもの。わりとよく見るパターンではあるが、だからこその王道的なよさがあった。活躍の場面が少ししかないのが惜しまれる。

がしかし、それ以上に魅力的だったシーンが実はほかにあるのだ。
それは、主人公(♂)がつけたこともないブラの着用を強要されて、「つけ方がわからない…」と肩越しに振り向きながら頬を染めて訴えてくるところ。
まさに。
ま、さ、に、最強だった。
さすが主人公は格が違ったと言わざるを得ない。


ブロッケンブラッド4 (ヤングキングコミックス)

テーマ : 女装少年
ジャンル : アニメ・コミック

バカとテストと召喚獣7.5の表紙の子がかわいすぎて生きるのがつらい

バカとテストと召喚獣7.5表紙


★ファミ通文庫 2010年2月の新刊

いろいろ反則じゃないかと思った。



あと、劇場版文学少女の予告編も出てた。

「劇場版“文学少女”予告編」

以前発売された特装版付属のDVDとはまた別の内容。こちらでは、麻貴先輩や森ちゃんの姿も見ることができる。
2010年5月1日より順次公開予定だそうだ。

テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

384,403kmを読んだ

著者は向坂氷緒。
イラストは玄鉄絢。
サブタイトルは「あなたを月にさらったら」。
「384,403km」というのは、地球の中心から月までの距離なんだそうだ。

内容は、率直に言って百合。
筋金入りのお嬢様たちが集う女子校を舞台に、主人公が意中の少女をいかにして射止めるかというところが描かれている。

妙にエロいと思いながら読んでいたのだが、よく見たら発売元がフランス書院だった。
おかしいとは思ったのだ。ラノベでも朝チュン描写くらいならたまにあるけど、この本はセックスしているところをしっかり書いてしまっている。
どうやら性的な描写が許されたレーベルらしく、そりゃエロいに決まってるわという話。

一応ティーン向けのレーベルらしいのだが、こういうのを10代の女の子に読ませようというのだろうか。
最近の少女漫画は下手なエロ漫画よりエロいと聞いたことがあるけど、その波がラノベ界隈にも押し寄せてきているのかもしれない。

それはともかく、内容についても書いておきたい。
まず、全編通してベタ甘です。
次に、主人公が超のつくドジっ子です。
そしてヒロインは猫みたいな子です。
展開は予定調和的というか、大きな驚きもなく進んでいく感じ。
でもその分、安心して読むことができる。
玄鉄絢氏の挿絵も作風によく合っていて、作品の魅力を増すことに一役買っている。
また氏のイラストの影響もあってか、雰囲気のなかに少女セクトに近いものを感じた。
恋愛勉強會の会長なんて、ほとんど思信そのまんまだ。
内容のシンプルさゆえに、そうしたキャラたちが脇役のまま終わってしまうのだが、それが惜しいと思えるくらいには良キャラ揃いだった。

セックスを濃く描写しているガールズラブ小説なら、既に少なからずあるのではないかと思うのだが、これのようにさらっと書いているような作品は、実のところあまりないんじゃないだろうか。
でもエロの有無を別にしても、予想していたより楽しめる良作だった。正直に言うと、挿絵目当てに買ったというところが大きかったのだが、その思惑に反して内容の方にも十分楽しませてもらえた。
百合好きであれば、手に取って損はない作品だと思う。


384,403km―あなたを月にさらったら (ティアラ文庫)

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

とある飛空士への恋歌2を読んだ

著者は犬村小六。
イラストは森沢晴行。
ラーメンが神の料理に思えてくるシリーズの第2巻だ。

主人公はかつての皇国第一王子。
革命によって皇室が滅ぼされる折に運良く助け出され、飛空挺技師の養子として生きてきた。
革命以後はおおむね平和に、かつ幸せに暮らしてきた彼であったが、自分から両親を奪い去った革命軍を、そしてその旗印だった少女のことを今でも憎んでいる。
そんな彼は、ある事情により世界の最果てを目指す一大計画の一員として、空に浮く巨大な島に乗って旅立つことになる。
彼を動かしたもの。それは革命軍のあの少女が島に乗るという情報だった。

というあらすじだ。
主人公は飛空士見習いであり、よって空を飛ぶ描写がちょくちょく出てくる。
だがこの2巻も1巻と同様、中心となっているのは人間ドラマであり、空戦の場面などはまだ出てこない。
人間ドラマも王道的な設定からなるものなので、若干ありきたりだと思わないこともない。
ただ、主人公に秘密があり、ヒロインにも秘密があり、それがいつ明かされるのか、明かされたらどうなるのかというところには否が応にも惹きつけられてしまう。
そのあたりを見るに、王道をちゃんと王道として成立させている作品なのだと思う。

ストーリー的にも大きな動きはなく、経過していく時間のなかで何気ない日々を描いていくのみだ。舞台は空飛ぶ島の上だが、繰り広げられるのはさしたる驚きもないごく普通の日常なので、この巻だけなら学園ラブコメと呼んでしまってもいいかもしれない。

しかし、終盤にいたってそれが急転を迎えることとなる。
ある意味予想通りの展開ではあった。ああいった話の流れを予期していた読者は、私のほかにもたくさんいただろうと思えるくらいには。
でも、そこからどう転んでいくかの予想はまったくつかない。
だからこの作品の本質が問われるのは、きっと次巻からなのだろうと思う。


とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

とある飛空士への恋歌を読んだ

著者は犬村小六。
イラストは森沢晴行。

著者の前作「とある飛空士への追憶」は、2008年に発売されたラノベのなかでもとりわけ高く評価されており、普段ラノベを読まない人でもタイトルぐらいは知っていたりするかもしれない。
そんな作品の続編。

といっても共通しているのは世界観だけであり、キャラクターや地名などは完全に別物となっている。
同じ世界を舞台にして、まったく異なる物語が描かれているのだ。
前作は完璧と言っていい終幕を迎えていたので、キャラを同じくする後日談などでは蛇足になってしまう。
そのため続巻が出るという話になったときに、戸惑いを覚えた読者も多かったと聞く。
続編としてくくるには微妙かもしれないが、前作のファンに対してこの本の在り方は、この上ない良回答と言えるのではないだろうか。

あらすじは、さる皇国の王子が革命によってその座を追われ、紆余曲折の末に空飛ぶ島に乗って世界の果てを目指す旅に出るという感じのもの。
この一冊で完結はしておらず、あくまでシリーズの序章と言うべき内容だ。
しかし、完成度はかなり高い。
前作にも負けていないと思う。
なかでも親子の別れのシーンは胸にくるものがあった。
定石ではたしかにある。
でもだからこそ、命中率100%の攻撃のように心へ響いてしまいます。

個人的に印象深かったのが、予想していた展開の裏をかかれたこと。
王道なのか、それとも奇をてらうのか。
ストーリーに対してのそういった予想は、ラノベでなくても誰しもがついやってしまうことだと思う。
それは当たることもあるだろうし、外れることもあるだろう。
そしてその予想の裏をかかれて外れたとき、私はなぜか「やられた」と思ってしまう。
悔しいような、嬉しいような、形容しがたい感情だ。
それをこの本でも味わったのだ。
ただでさえストーリーが良いのに、そのうえ驚きを誘う要素まであるとなると、「やられた」なんて言いつつも面白いと評さざるを得ないのである。

私が予想を裏切られたのは、恐らくはイラストによるところが一番大きいと思う。
こういう流れかなと予想しつつも、イラストを見て違うだろうと考えてしまったのだ。
あれはもしかして、狙ってああいう風にしていたんだろうか。
もしそうだったら凄いと思うんだけど。
どうなんだろう 。


とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

影執事マルクの忘却を読んだ

著者は手島史詞。
イラストはCOMTA。
仕えしお嬢様のために、眼鏡の少年執事が奮戦奮闘するシリーズの4冊目。

視点の切り替わりが多くて少し読みにくい。
恐らくはキャラが増えてきたせいか。
でも、この作品の面白さはキャラたちの豊かな個性に支えられているので、多いことは批判するにあたわない。
問題なのは、視点の切り替えを読者に違和感を与えないよう、うまく行えていないことにあるのだと思う。

しかし、著者氏に文章力がないと一蹴できるような話でもない。
なぜなら別の角度から見ると、著者氏はとても優れた書き手であるからだ。
伏線を張って、回収する。
その流れが絶妙と言っていいくらいにうまい。
さりげなく伏線を張って、無造作に糸でもたぐり寄せるかのようにスルッと回収してみせる。
この一連の流れがシリーズには何度も出てくるのだが、そこに違和感を覚えることがまるでないのだ。
腑に落ちるという言葉の通りにストンと納得できてしまう。
全体を通しての構成力においては、並ならぬ力量を持っているのが著者氏だと思う。
ただその分、細部の練り込みがやや足りないように感じられる。とまあ、そういう話である。

4冊目の本著によって、キャラクターの数は更に増えた。
恐らくは、これからも増え続けるだろう。
話そのものの面白さが損なわれることは心配していないが、読みにくくなってしまう可能性は多分にあると考えられる。
その心配が杞憂に終わってくれるよう願うばかりだ。


影執事マルクの忘却 (富士見ファンタジア文庫)

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

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