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空ろの箱と零のマリア3を読んだ

空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫)


著者は御影瑛路。
イラストは鉄雄。
神さまの暇潰しに付き合わされて殺したり殺されたりするシリーズの第三巻。

今回は二巻の幕引きからそのまま続く形になっているので、そこで主人公に事実上の宣戦布告をしたあのキャラを敵に回し、戦うことになる。
戦いのルールとしては、総勢六名のキャラクターそれぞれに役割と能力が与えられ、そのうえで生き残りをかけたゲームをやるというもの。少々複雑だが、人狼審問を人間同士で、かつ少人数で遊ぶ感じだと言えば、やったことのある人には伝わるのではと思う。
思いっきり簡潔に言うと、騙し合いの化かし合いである。騙しきった方が勝利し生き残り、騙された方は死ぬ。こうしてみると単純だが、キャラクターそれぞれに事情というものがあるので、当然ながら一筋縄ではいかない。
たとえば本シリーズのヒロインは、頭脳明晰で格闘技に長じ、頭の回転が早いうえに判断力もある。決して折れない意志の強さと、生半可なことでは動じない胆力を合わせ持っているが、彼女は高潔であるがゆえに人を害することができない。殺さなければ殺されるゲーム内において、いかに優れた能力を有していようとも殺すことができない彼女は、最弱と言える存在なのだ。
と、このように、このゲームの中では、能力の高さが生き残る可能性に直結しない。
誰が敵で、誰が味方なのか。
疑心が疑心を呼び、猜疑が猜疑の種になる。
立てた憶測はあっさりと覆され、推論は前提から突き崩される。
難解なミステリー小説のようなゲームの中に、読者自身も巻き込まれることになるのである。

一巻が超面白くて、二巻で少し落ちた感のある本シリーズだが、この三巻で、また盛り返したように思う。
原因は、ミステリー的な作品の構成にあるのではないかと推測する。
この三巻は、誰が本当の敵なのか、最後まで明らかにはならない。二巻の最後でこのうえなく印象的な宣戦布告をしたキャラクターがいるにもかかわらずだ。
だから、誰が敵なのかを常に予想しながら読むことになる。言ってみれば、ミステリー小説の犯人捜しのようなものである。
そして、一巻の面白さもまたこういうところにあったように思うのだ。
ミステリーを苦手としている私がこんなことを言っても説得力に欠けるかもしれないが、それでも本著において、ミステリー的な要素が面白さの中核を担っているのは確かである。
だから、わりと早い段階で敵が誰であるか推察できてしまう二巻は、面白さにやや欠けると感じてしまったのだと思う。

そんな具合に面白かった第三巻だが、物語はここでは終わらない。
ゲームの本番は、次へ持ち越しである。
その四巻は、早ければ春頃になるとのこと。著者氏の予定通りに発売されてくれることを祈るばかりである。
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テーマ : ライトノベル書評
ジャンル : 本・雑誌

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