スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

影執事マルクの迷走を読んだ

著者は手島史詞。
イラストはCOMTA。
影使いの眼鏡執事が主のために七転八倒するシリーズの第5巻。

今回は短編集となっているのだが、少し変わった趣向が凝らされている。
短編集とはその名の通り、サブキャラクターたちによるサイドストーリーや、主人公の過去話などを短編形式でいくつか綴り、それらを一冊にまとめたものを一般には指す。
その際、メインストーリーからは一旦離れる場合が多いため、幕間とか小休止とか箸休めとか、印象としてはそういったものに近いことが多い。
だからシリーズによっては、短編集の巻であることをわかりやすくするために、副題をつけたり巻数に『.5』をつけたりする。「○○3.5巻」といった具合にだ。
つまるところ短編集というのは、本編とは別個のものとして扱われることが多いのである。

しかしこの本の場合は、短編集を本編のストーリーへ組み込むという珍しい形式をとっているのだ。
本シリーズにおけるメインストーリーの主人公は眼鏡執事のマルク少年なのだが、この巻では彼が仕える主であるエルミナ嬢が主役となっている。
彼女がとあるアクシデントに巻き込まれてしまい、その行く先々で本シリーズ登場キャラたちのサイドストーリーを盗み見るという形式でもって、本編と短編集を融和させているのである。

どうしてそんな面倒なことをしたのかというと、担当氏にそう命じられたからだとあとがきに書いてあった。ついでに担当氏が鬼であるとも。
でも、その甲斐はあったと思う。著者氏が苦労した分、しっかり面白くなっていたからだ。
短編をひとつ読み進めるごとにストーリーも少しずつ進んでいき、最終的には今回のアクシデントも解決されることになる。
その、短編を追う過程で投げ掛けられる問いと、解決によって導かれた答えの流れが、実にスマートで鮮やかだった。
伏線を張って回収する流れのスマートさが著者氏の持ち味だと前巻の感想に書いた覚えがあるけれど、それを再確認させられたかたちだ。
そんでもって、最後の最後にとんでもない爆弾が仕掛けられてもいた。
予想しなかったわけではないけど、もっと先のことになると考えていた。思いのほかの急展開。
次の巻を手に取るときが待ち遠しい。


影執事マルクの迷走 (富士見ファンタジア文庫)
関連記事

テーマ : ライトノベル感想
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリー
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
最近の記事
リンク
おすすめ品

少女セクト 1
少女セクト 1
感想

少女セクト 2
少女セクト 2
感想

君が僕を
君が僕を
感想

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
感想

劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)
劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)
感想

リトルバスターズ!エクスタシー 初回限定版
リトルバスターズ!エクスタシー 初回限定版
感想

円環少女
円環少女
感想

ALL YOU NEED IS KILL
ALL YOU NEED IS KILL
感想

RSSリンクの表示
ランキング

FC2Blog Ranking

人気ブログランキングへ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。