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バカとテストと召喚獣7.5を読んだ

著者は井上堅二。
イラストは葉賀ユイ。
今回はちょっとネタバレ分多めかも。

表紙を飾るのは本作主人公の吉井明久(♂)なのだが、男性キャラの表紙絵実現を、著者氏、イラストレーター氏がともに歓喜していて吹いた。
3.5巻は秀吉が表紙なんだけど、当然のように、彼は数には入れないんだそうである。

さらに口絵では、姫路さんと美波と霧島さんと工藤さんと秀吉、全五人の男装姿も見ることができる。
美波が男装したら映えるだろうとは思っていたのだが、霧島さんに似合っていたのは予想外だった。りりしい顔立ちをしているからかもしれない。
工藤さんはもはや、小悪魔系のショタっ子にしか見えない。胸の大きさもあるのだろうが、それ以上に肉食系な性格が強く影響しているのだと思われる。
けれど姫路さんにはさすがに似合わないようだ。体型が女らしすぎるのが原因だろう。

ちなみに秀吉は、女子の制服も着てみせてくれている。男子用の制服より圧倒的に似合って見えるのは、私の目がおかしいからではないはずだ。

さて、今回は.5がついているので短編集だ。
収録作は四本。うち三本がギャグ調で、一本は少しシリアスというか真面目。そういや6.5でもこんな構成だったなあなんて思ったりしつつ。

短編集だと、気に入る作品とそうでない作品とで分かれることが多いのだが、今回は性に合ったのか、掲載作すべてがおもしろいと感じた。
中でも「僕とダウトと男の尊厳」、「僕とホンネと召喚獣」、この二作品は特によかった。


 ◇


僕とダウトと男の尊厳」は、トランプのダウトをして遊ぶ話である。

もちろん、ただのダウトではない。負けたら罰ゲームがある。
その罰ゲームというのが変わっているというか、むしろ王道的というか。ぶっちゃけると脱衣である。
でもってメンバーには、明久と雄二のほかに、姫路さんと霧島さんがいる。
ここでサービス回かと期待するのが普通の人だと思うのだが、このシリーズの愛読者なら、きっと真逆の予想をするだろう。

すなわち、「明久と雄二が蹂躙される話だな」と。

この蹂躙が、大敗を喫するというだけならまだわかりやすい。脱がせてやるぜと意気込んで、返り討ちにされるというエピソードなら、わりとよく見掛ける。王道的だ。
でも、姫路さんと霧島さんが絡むかぎりにおいては、そんな生やさしい展開にはまずならない。
なぜなら彼女たちの目的は、「返り討ちにすること」ではなく、「明久と雄二を脱がせること」になるはずだからだ。

ギャンブルで一番恐いのは、運を味方につけた人物を相手にすることだろう。
では、二番目は?
おそらくそれは、頭を駆使してくるタイプだ。
記憶力と理論でもって、もっとも勝率の高い選択肢を堅実に選びとり、最後の勝利を確実のものとする。
そういう相手は、とても恐ろしい。

かたや学年主席、かたや学年次席相当。
理論をはさむ余地が多分にあるギャンブルの席上において、このふたりを相手に善戦できる人物はいても、勝てる者はきっといないだろう。
明久と雄二の裸が賭かっているとなれば、なおさらだ。

そして彼女たちは、目的を達成するまで諦めない。
たとえ下着一枚にされようとも、それでも降りない覚悟で挑んでくる。つまり、明久と雄二を脱がすそのためならば、自らの全裸すらもいとわないのだ、彼女たちは。
この覚悟を折って彼女たちを諦めさせることは、容易ならざるどころか不可能にも近い。

畢竟、明久たちは姫路さんと霧島さんに敗北するしかなくなる。それはもう絶対と言えるほどの確実さで。

そんな事件の顛末として、今巻表紙のアキちゃんの姿があるわけである。合掌。
しかしながら、女子の制服を着てウィッグつけただけでここまで女の子になってしまうとは、明久の、いやアキちゃんのポテンシャルの高さには改めて驚愕を覚えざるを得ない。わりと真面目にかわいすぎると思う。


 ◇


僕とホンネと召喚獣」は、学園長が変更を加えた召喚システムの犠牲に、明久たちがなってしまう話だ。

加えた変更とは、召喚獣の操作系統の半自動化。具体的には「脳の無意識領域の一部も読み取るようになる」というものだ。そのテストに、明久たちは参加させられるのである。

本来の召喚獣は、使役者の意思にそって動く。前へ進めと思えば前に進むし、武器で攻撃しろと念じればそうする。そういうシステムだ。
これが学園長の加えた変更によって、使役者の普段表出させていない無意識領域の情報が、召喚獣への命令としてひろわれるようになった。
早い話が「使役者の本音を行動に反映させるようになった」ということだ。
明久や姫路さん、美波、雄二、翔子、ムッツリーニ、工藤さん。こんな面々の本音がだだ漏れとなってしまう機会が、意図せず訪れてしまったわけである。

しかも用意のいいことに、召喚獣が「喋れるようになる」というおまけつきだ。
ここまできたら、あとはどうなってしまうのか、おおよそ想像がつく。そう、「本音暴露大会」である。まかり間違えば告白大会にもなってしまいかねないという大変にあやういこの状況は、意中の相手への思いを秘めたキャラクターたちにとって、あまり喜ばしいとは言えないシチュエーションである。

であるのだが、本音で語り、本音で動く召喚獣たちのかわいいことときたらもうね。
姫路さんの隠し持った大胆さの片鱗にも興味を惹かれるけれど、それ以上にツボにきたのは美波の召喚獣だ。

普段素直じゃない彼女の本音がだだ漏れになるということは、言い換えればツンデレの「デレ状態」ということでもある。
明久への好意を隠すことなく抱っこをせがむさまときたら、普段が普段であるだけにギャップがすさまじい。
ひいてはそれが、彼女のかわいらしさの表出にも繋がっているというわけである。

しかしながら本エピソードにおいては、姫路さんの本質より美波の素直さよりも、もっと気になることがほかにあった。
それは、「秀吉の好きな人は誰なのか」ということだ。

そういう話題になったとき、秀吉までもが逃げに走った。これはつまり、彼には好きな相手がいるということの証左である。
その相手が誰なのか、連想できるキャラクターは現在のところ、ひとりしかいない。

作中で明言されることがないために、その想像が正しいのかは、結局わからないままだ。でも、夢を見ることは今もって許されている。これまでと同様に。
予想通りであってほしくもあり、それを裏切ってほしくもあり。今後の展開へのおもしろい布石となってくれそうな事柄だった。

けど、秀吉のあのカミングアウトは、生々しくてちょっといやだと思ってしまった。
さすがは秀吉、魔性すぎる…


 ◇


長々と書いてきたけど、あともう少しだけ。
最後のエピソード、「ウチと日本と知らない言葉」について、書いておきたい。
本作登場キャラのひとりである島田美波嬢は、ドイツからの帰国子女だ。そんな彼女が日本へ帰ってきたばかりの頃、約一年前の出来事が綴られている。

本作における謎のひとつとして、「美波はなぜ明久に好意を寄せているのか」というものがある。
同様に、姫路さんが明久を思うにいたったきっかけについても、いまだ語られていないのであるが、それはさておくとして。
美波は、一巻時点で既に明久へと明らかな好意を向けており、そしてそうなった理由についてはこれまで明かされてこなかった。
「明かされてこなかった」と過去形であるのは、本エピソードによってその謎がなかば氷解したためである。

言葉がわからないという状況は、原始的な恐怖を呼び起こし、精神的苦痛へと繋がっていく。
言葉がわからなければ意思の疎通はままならず、意思が通じなければ否応なしに孤独へ陥るしかなくなるからだ。
無人島でのひとりより、群衆の中でのひとりのほうが孤独感は強い。物語の中でも、歌の歌詞でもよく言われることである。

では、その孤独の中へ手を伸ばしてくれる人物がもしいたとしたなら?
惚れてまうやろー!
とまではいかなくとも、興味を持つには十分な理由となりうるのではないだろうか。


 ◇


書きすぎました。

正直に言えば書きたいことがまだあるんだけど、さすがにこのあたりでやめておく。
先述の通り、掲載された短編すべてを楽しく読むことのできた一冊だった。ほかの九冊と比べても、ひけはとらないおもしろさと言えるだろう。

アニメ放送中のテンションが評価に影響した可能性も否めないけど、それでも「おもしろかった」という感想を抱いたことは、否定しようのない事実である。

逆を言えば、今がこの作品をもっとも楽しめる時期かもしれないということでもあり。
シリーズのファンはもちろんのこととして、アニメから入った人にもおすすめしたい一冊である。

というか、表紙のためだけにでも買う価値はあると思う。わりと本気で。


バカとテストと召喚獣7.5 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 い 3-1-10)
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