ロウきゅーぶ!3を読んだ
著者は蒼山サグ。
イラストはてぃんくる。
オビにコメントを寄せているのはミュージシャンのROLLY(寺西)氏。バスケどころかロリキャラとも特に関連のない人に、えらいこと言わせちゃってます。いいのかこれ…と思ったけど、もともと問題発言の目立つ人だったから、この程度は別段大したことじゃないのかもしれない。
さて本著の内容を端的に言うならば、五人の小学生女子が主人公のコーチのもと、バスケを楽しむ話である。
つまりヒロイン全員が小学生であるわけだ。
年端もいかない女の子をヒロインとするラノベ作品は、本シリーズに限らず複数存在するのだが、潜在的な変態度では本作が一番という気がする。非現実的要素の一切存在しない、ごく当たり前の日常において、主人公と小学生の女子たちがキャッキャウフフと戯れ遊んでいるのがその理由だ。
そうならざるを得ない事情があったのであり、主人公視点で見れば不可抗力とも言えるのだが、現実的な設定の持つ説得力は、やはり侮れない。事あるごとに主人公がロリコン呼ばわりされてしまうのも、背景を考えれば仕方のないことと言えるだろう。
そんな本著の内容ゆえにか、発売したのは二ヶ月以上も前であったにもかかわらず、私が手にできたのはつい最近という品薄っぷりだった。しかもわずか一ヶ月ほどの間に、版を三つも重ねている。どれだけ売れてるんだろう…
それはともかく。
五人の小学生と主人公があんなことやこんなことになる本シリーズに、今回はイレギュラーが登場することになる。
顔見せだけなら一巻の時点で済ませていたのだが、その後ほとんど出番のなかった不遇のキャラこと主人公の幼馴染みだ。
彼女はロリキャラではなく、むしろ逆に、高校生としても発育のいい方だ。
これまで目立った活躍がなかったことと、ロリの二文字を旗印とする作風に真っ向から相対するキャラ造型。彼女がイレギュラーというのは、この二つの要因があるためだ。
彼女は主人公と同じ、根っからのバスケ馬鹿であり、そしてご多聞に漏れず、主人公へ好意を寄せている。
だから、主人公が自分の時間を割きまくって少女たちにコーチングしているという現状へ、彼以上に危機感を抱く。幼馴染みであり、主人公の性格を熟知しているからこそ、身を削って他者へ尽くす主人公を放っておけないのである。
そんなこんなで一騒動、というエピソードだった。
一巻を読んだときにも思ったけど、やたらとロリキャラを売りにするわりには、本作の内容は真剣そのものだ。
真剣に小学生との恋愛を描いている、という意味ではもちろんない。そのことについては、昨今の風潮から著者氏も危機感を抱いているようではあるけれど、それはさておくとして。
真剣というのは、バスケットボールに関する描写に対してである。
キャラたちが真剣にバスケへ取り組み、主人公もそれを全力でアシストし、そして敵チームは本気で向かってくる。
メインヒロイン以外はバスケを始めて二ヶ月程度という、新造のチームである。経験者相手では、まともに勝負することすら難しいはずだ。
しかし彼女たちは、だからといって諦めない。楽しめればそれでいい、なんて諦観に手を染めたりはしない。
勝つことを、それに向けて努力することを、決して諦めようとはしないのだ。眼前の山がどれほど高くけわしくとも、頂へ登るために、ただ全力を投じる。そんな具合に、あくまで真剣そのものなのである。
諸事情あって一度はバスケを諦めかけた主人公も、それに引きずられて情熱を取り戻すことができた。のみならず、そうさせてくれた少女たちに恩義を感じ、自らの精一杯で彼女たちへコーチングしようと決意するまでの成長も見せた。
ヒロインの大半が小学生という、ネタ要素満載なラブコメ。
そういう見方も、間違ってはないと思う。
しかし本著を言い表す言葉としては、もっと適切なものが他にある。
萌えで燃えで熱血で、意外とスポ根なラブコメ。読後の印象としては、こんな感じだ。
しかし!
しかしである。
あの冒頭部分。あれはないと思う。
あんなものをもし見られたら、アグネスに胸ぐら掴まれどつかれたとしても、何の文句も言えない気がするのだ…
イラストはてぃんくる。
オビにコメントを寄せているのはミュージシャンのROLLY(寺西)氏。バスケどころかロリキャラとも特に関連のない人に、えらいこと言わせちゃってます。いいのかこれ…と思ったけど、もともと問題発言の目立つ人だったから、この程度は別段大したことじゃないのかもしれない。
さて本著の内容を端的に言うならば、五人の小学生女子が主人公のコーチのもと、バスケを楽しむ話である。
つまりヒロイン全員が小学生であるわけだ。
年端もいかない女の子をヒロインとするラノベ作品は、本シリーズに限らず複数存在するのだが、潜在的な変態度では本作が一番という気がする。非現実的要素の一切存在しない、ごく当たり前の日常において、主人公と小学生の女子たちがキャッキャウフフと戯れ遊んでいるのがその理由だ。
そうならざるを得ない事情があったのであり、主人公視点で見れば不可抗力とも言えるのだが、現実的な設定の持つ説得力は、やはり侮れない。事あるごとに主人公がロリコン呼ばわりされてしまうのも、背景を考えれば仕方のないことと言えるだろう。
そんな本著の内容ゆえにか、発売したのは二ヶ月以上も前であったにもかかわらず、私が手にできたのはつい最近という品薄っぷりだった。しかもわずか一ヶ月ほどの間に、版を三つも重ねている。どれだけ売れてるんだろう…
それはともかく。
五人の小学生と主人公があんなことやこんなことになる本シリーズに、今回はイレギュラーが登場することになる。
顔見せだけなら一巻の時点で済ませていたのだが、その後ほとんど出番のなかった不遇のキャラこと主人公の幼馴染みだ。
彼女はロリキャラではなく、むしろ逆に、高校生としても発育のいい方だ。
これまで目立った活躍がなかったことと、ロリの二文字を旗印とする作風に真っ向から相対するキャラ造型。彼女がイレギュラーというのは、この二つの要因があるためだ。
彼女は主人公と同じ、根っからのバスケ馬鹿であり、そしてご多聞に漏れず、主人公へ好意を寄せている。
だから、主人公が自分の時間を割きまくって少女たちにコーチングしているという現状へ、彼以上に危機感を抱く。幼馴染みであり、主人公の性格を熟知しているからこそ、身を削って他者へ尽くす主人公を放っておけないのである。
そんなこんなで一騒動、というエピソードだった。
一巻を読んだときにも思ったけど、やたらとロリキャラを売りにするわりには、本作の内容は真剣そのものだ。
真剣に小学生との恋愛を描いている、という意味ではもちろんない。そのことについては、昨今の風潮から著者氏も危機感を抱いているようではあるけれど、それはさておくとして。
真剣というのは、バスケットボールに関する描写に対してである。
キャラたちが真剣にバスケへ取り組み、主人公もそれを全力でアシストし、そして敵チームは本気で向かってくる。
メインヒロイン以外はバスケを始めて二ヶ月程度という、新造のチームである。経験者相手では、まともに勝負することすら難しいはずだ。
しかし彼女たちは、だからといって諦めない。楽しめればそれでいい、なんて諦観に手を染めたりはしない。
勝つことを、それに向けて努力することを、決して諦めようとはしないのだ。眼前の山がどれほど高くけわしくとも、頂へ登るために、ただ全力を投じる。そんな具合に、あくまで真剣そのものなのである。
諸事情あって一度はバスケを諦めかけた主人公も、それに引きずられて情熱を取り戻すことができた。のみならず、そうさせてくれた少女たちに恩義を感じ、自らの精一杯で彼女たちへコーチングしようと決意するまでの成長も見せた。
ヒロインの大半が小学生という、ネタ要素満載なラブコメ。
そういう見方も、間違ってはないと思う。
しかし本著を言い表す言葉としては、もっと適切なものが他にある。
萌えで燃えで熱血で、意外とスポ根なラブコメ。読後の印象としては、こんな感じだ。
しかし!
しかしである。
あの冒頭部分。あれはないと思う。
あんなものをもし見られたら、アグネスに胸ぐら掴まれどつかれたとしても、何の文句も言えない気がするのだ…

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