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「かたわ少女」の日本語版を遊んだ

かたわ少女の日本語版が配信開始されていたので、ダウンロードしてやってみた。



かたわ少女Act1の日本語訳リリース!
http://katawashoujo-ja.blogspot.com/2010/05/act1.html



どんなゲームかについては、以前日記に書いているのでリンクを貼ろうと思う。
簡単に説明しておくと、タイトルの通りに身障者をヒロインとした同人のギャルゲーだ。
フリーでの配布を前提としており、海の向こうの人たちが鋭意制作中である。



身障者と真面目に向き合う海外の同人ギャルゲー 「かたわ少女」
http://kidar.blog110.fc2.com/blog-entry-723.html



あれからもう一年。
時の経つのは早いものだと感慨を覚えながらプレイすること数時間。
act.1と銘打たれていることからもわかるかもしれないが、現バージョンは完全ではない。
それより一歩手前のデモ版、簡潔に言えば体験版である。
各ヒロインルートへの分岐はするが、した直後にエンディングを迎えるので、おあずけされた感がものすごい。
プレイするなら、そのことを念頭に置いておくべきだとまずは言っておく。

前置きの済んだところで本題、すなわち内容の評価に入る。長いので、読むならば心してほしい。

ざっと見たかぎりでの印象としては、作りは結構良い。フリーで配布している作品としては、よく出来ていると思う。

テキストの質はそこそこ。
決してよくはないが、読むに支障はなし。
若干のくせがあるので、ギャルゲーをやり慣れていないような人には少々きついかもしれない。
逆を言えば、やり慣れている人なら問題なくスルーできる程度のくせということでもある。

いずれにせよ、訳したのが日本語英語双方に精通した人物であることは読んでいてわかるし、また、原文が暇人の片手間などで書かれたものでないこともわかる。
驚くべきは、日本の文化への深い知識だ。
いや、文化ではなく日常と言うべきかもしれない。
これは憶測だが、このゲームのことを知らない人物に、なにも教えず遊ばせたなら、外国人が作ったなどとはきっと信じないだろう。
そのくらい、日常描写に違和感がない。

舞台が人里離れた寮制の学校であるということも、違和感を抱かせない理由にはなっていると思う。
閉鎖された環境が舞台であれば、現実との多少の齟齬があっても、その場所が特殊だからということで無意識のうちに納得してしまえる。そういう面も、ないとは言わない。
けど、それだけじゃない。
これほど自然に日常を描写するには、ただ単に調べるというだけでもおそらくは追っつかないだろう。日本在住の経験がある人物か、もしくは今現在日本に住んでいる人物が、制作スタッフの中にいるものと思われる。
さらに憶測するなら、日本語訳を担当したのもその人物なのかもしれない。

話が少しずれた。
テキストに関しては、たとえば名に聞こえたエロゲライターに匹敵しているなんてことはないが、文章が理解できないなどということもない。
私個人に関して言えば、制作者の主張は十全に伝わったものと解釈している。
あとは好みの問題だろう。

次にキャラクター。
攻略可能なのは、おまけ要素で確認できるかぎりでは全部で五人。
その五人以外にも目立つ子なんかがいたりするので、ひょっとしたらそういう子ものちのち攻略対象に加わったりするのかもしれないが、今のところはその五人だ。
クラスメイトの中にどこかで見たようなキャラがいたりもするけど、そのあたりはまあ、ご愛敬。

初プレイでは、静音というキャラクターに目がいった。
耳が聞こえないために口がきけず、そのため手話でコミュニケーションをとるというキャラだ。
眼鏡で生徒会長というお堅い雰囲気を持つ子なのだが、好戦的で熱くなりやすいという子供っぽい一面もある。
作中ではむしろ、好戦的で負けず嫌いな印象のほうが先行しているかもしれない。

優子さんというキャラもかわいい。
図書館司書を勤めている眼鏡のお姉さんだ。
和風お茶屋で大胆に肩を露出させた制服を着てアルバイトしていたりもする。

というか眼鏡ばっかりだな私!

静音は、ゲームを進めるにつれて印象が変わってきたキャラでもある。
実直なのは美点だけど、性格が少々きつすぎるきらいがあるのだ。
目の見えない子相手に提出物を早く出せと迫るのは、健常者の感覚からだと無理難題を言っているようにも見えてしまう。

しかし、いわばそれがこのゲームということなのだろう。
要するに、「体の特徴をあげつらって区別しない」ということだ。

静音からすれば、個々の事情などははじめから考慮していないんじゃないかと思う。
彼女は生徒会長としての職務を全うするために、「きちんと期限決めてあるんだから早く出しなさいよねっ!」と、然るべき権限を用いて催促にあたっているだけで、言い方こそきついが、そこに一切の他意はない。そういう風に見える。
それに対し、「その期限が決めるべき事柄に比して短すぎると言っているのです!」と、言われた側がちゃんと言い返すあたりも見るに、双方にとって、これは単なる口論という認識なのだろう。
元より根の深い問題などではない、と。
こういうスタンスは嫌いじゃない。

ここまでが真面目な話。
不真面目な話をあえてするなら、このゲーム、変人がやたらと多い。
とりあえず、主人公の寮での隣人が眼鏡の少年なのだが、いや、また眼鏡だけどこいつは別に萌えキャラじゃない。ギャルゲーによくある悪友ポジションだ。
ともかく、この隣人が相当にぶっ飛んでいる。
重度の弱視をわずらっており、そのため度のきつい瓶底眼鏡をかけているのだが、実は頭の障害もあるんじゃないかなどという不謹慎な疑いを抱かざるを得ない。そのくらいに荒唐無稽だ。
言動がおもしろくはあるんだけど、一歩間違うと恐いことになってしまいそうでもある。
きわどいところを攻めてくるなあと思ってしまった。

もうひとり、こちらはヒロインキャラなのだが、琳という子もかなりの変人だ。
両手がないため、食事などを足を使って行なう。そのせいか、制服は女子生徒用のスカートではなく、男子生徒用のスラックスを着用している。
ここまでは普通だ。
問題は、彼女のパーソナリティにある。
彼女は美術部に所属しており、足を使って絵を描く。
芸術家肌であるゆえなのか、それとも生来のものなのかは不明だが、言動がとにかくエキセントリックだ。
常人には理解できない理屈で、それでも彼女の中では明らかな信念を持って行動し、結果として周囲を戸惑わせる。
その一方で、締切りに追われて青くなったり、やたらと気安く主人公に接したり、芸術としか言いようのない巨大な壁画をひとりで描ききったりもする。
奇妙で、奇抜で、そしておもしろい。
五人のヒロインのエンディング…といっても体験版レベルのものだが、それを一通り見て一番気に入ったのも、実はこの子だ。
おもしろい。だからもっと見てみたい。
そう思わされてしまった。

悪友隣人や琳だけの話ではないが、本作の登場キャラは、とかく個性的でおもしろい。
体の特徴以上に、精神面が特徴的とさえ言える。
だからだろうか、テキストを読み進めていると、差異のあることがごく自然であるという風に思えてくる。

実際、そういうものなのだろう。
表層の見えやすいところに違いがあるというだけで、健常者とも大した差はない。
現に本作の主人公も、命にかかわる疾患持ちだが、傍から見れば健康体以外の何物でもない。
見えるところには目がいきやすいし、そうでないところにはいきにくい。
きっと、それだけの話なのだ。

さて、次はそのキャラクターたちを描いているグラフィック要素。
これはかなりいい。
同人制作のレベルではという但し書きはつくものの、見られる物に仕上げているというだけでも評価に値する。
キャラクターデザインというか、キャラの立ち絵を描いている人は、三人ほどいるようだ。
画風の統一などは図られていないので、キャラによって絵柄が結構違う。
個人的には気にならなかったが、人によっては欠点たりうるかもしれない。

数は少ないが、一枚絵もある。わりと見栄えがいい。
背景は実写を加工して使っているようである。

音楽は、作っているのか、それともフリーの物を使用しているのかはわからないが、可もなく不可もなくといった印象。
ただ、日常的なシーンで流れる曲の再生速度が遅くなるというバグがある。
条件はよくわからない。環境に依存するものなのかもしれない。
BGM関連のバグは、作品の雰囲気を容赦なく壊してしまうので、直せるものなら直してほしいところだ。

といったところで総括に入る。
とはいえ、ゲームについて言いたいことはほぼ言ってしまったので、特記するようなこともそんなにはなかったりするんだけど…
さらに言えば、体験版相当なので、これ以上書けることも特にはなかったり。

今言えるのは、「一刻も早く続きを遊びたい」。
それだけだ。
つまるところ、私はこのゲームがかなり気に入っている。
おもしろいと感じている。

実際、出来はいい。
完全版の仕上がり次第だが、金を取れるレベルと言っても大袈裟ではないだろう。

倫理的に正しいかどうか。
アリかナシか。
そんなことは、完全版を遊んだあとで決めればいい。
この件に関しては、いろいろと思うところもあるのだけれど、今言えるのはこのくらいだ。

瞠目すべきなのは、こうしたテーマを用いて、金を取れるレベルの物を真剣に作り、フリーで配布しようとがんばっている人たちがいるという事実。
以前の日記にも書いたが、諸問題をさておいてでも、この姿勢だけは尊敬するにあまりある。

自分で遊んでみて、ああやっぱりと感じた。
これを作っている人たちは本気だ。
話題性なんて求めてない。
欲しいと思ったものを、自分たちの手で、本気で形にしようとしているだけだ。
そのテーマがたまたま一般的ではなかったという、それだけの話なのだ。

act.2、もしくは完全版か。
どちらにしろ、最低でも一年は待つことになるだろうけど、かまわない。待とうじゃないか。
何年先になろうとも、完成したあかつきにはぜひ遊ばせてもらおうと思う。
このゲームには、それだけの価値がある。
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ジャンル : ゲーム

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