魔法少女まどか☆マギカの第4話を見た
「ベテラン」という言葉の意味。
これまでに見てきた「数えるのを諦めるほどの人の死」。
たとえ「忘れ去られても」仕方のないこと。
記憶にとどめてもらえるだけ巴マミは幸せ。「羨ましいほど」に。
暁美ほむらの言葉の数々は、彼女がかつて誰かに忘れ去られてしまったことを示唆している。
いったい誰から? 答えはおそらく、考えるまでもない。
やはり彼女は、鹿目まどかと、かつて交流のあった人物なのだろう。
そのことをどうしてまどかは忘れ去ってしまったのか、理由はいまだわからない。
推察するための材料には事欠かないが、それら自体がミスリードかもしれず。
ほむら自身が黙して語らない、あるいは“語れない”以上、すべては憶測の範疇を出ず、真実は闇のなかである。
そして、やはり、こういう方向性しかないよなあ、と。
このアニメ、というより企画の構造的に、キャラクターの死によってインパクトを与えられるのは一度きりだ。
その後は、誰がどのように死のうとも、いわゆる想定の範囲内になってしまう。「誰が死んでもおかしくないアニメ」であることが周知されてしまっているからだ。
だから、視聴者に衝撃を与え続けようと考えるなら、今度は別方向からのアプローチが必要となってくる。
脚本担当が虚淵玄氏であることを鑑みたうえで、それがどういったものになるかを予想してみると、答えは自ずと限られる。
キャラクターの死によって、世界の物理的な厳しさを思い知らせた後は。
キャラクターの苦悩によって、精神的な痛みを与えてくるものと、相場が決まっている。
そして、あのタイミングでのキュゥべえの登場。
見計らったかのような。
“待ちかねていたかのような”。
例えば、願いを持つ者の意思を察知して、素早くその場へ馳せ参じたというような想像も、できないことはない。
神出鬼没でテレパシー能力を持つキュゥべえならば、そうしたことができたとしても、決して不思議はない。
でも、しかし。
そうだとは、とても思えない。それが今の正直な気持ちだ。
さやかの語った「奇跡も、魔法も、あるんだよ」という言葉が、痛烈な皮肉のようにも思えてきてしまう。
この後の展開も、おおよそ予想できる。
労働には、それに見合うだけの対価が支払われるべきだけれど、現実は必ずしもそうではない。
働いたからといって、手伝ったからといって。
優しくしたからといって。
身を捧げたからといって。
それが必ず報われるとは限らないのだ。
なんて、重い、アニメなのか…!
魔法少女もののシナリオはポジティブでなければならないと、法律で決まっているわけではない。シナリオがどういったものになるのかは、作り手のさじ加減ひとつで変わってくる。
実際、アニメ以外の媒体では、意図してお約束を外した魔法少女ものも時折見られる。
だが、アニメというきわめて多人数が触れることになる媒体で、ここまで尖った作風というのはかなり珍しい。
その是非はすべてを見るまで問えないが、今の段階でも意欲的であることに文句のつけようはないし、個人的には楽しませてももらっている。
願わくば、それが最後まで貫かれることを。
これまでに見てきた「数えるのを諦めるほどの人の死」。
たとえ「忘れ去られても」仕方のないこと。
記憶にとどめてもらえるだけ巴マミは幸せ。「羨ましいほど」に。
暁美ほむらの言葉の数々は、彼女がかつて誰かに忘れ去られてしまったことを示唆している。
いったい誰から? 答えはおそらく、考えるまでもない。
やはり彼女は、鹿目まどかと、かつて交流のあった人物なのだろう。
そのことをどうしてまどかは忘れ去ってしまったのか、理由はいまだわからない。
推察するための材料には事欠かないが、それら自体がミスリードかもしれず。
ほむら自身が黙して語らない、あるいは“語れない”以上、すべては憶測の範疇を出ず、真実は闇のなかである。
そして、やはり、こういう方向性しかないよなあ、と。
このアニメ、というより企画の構造的に、キャラクターの死によってインパクトを与えられるのは一度きりだ。
その後は、誰がどのように死のうとも、いわゆる想定の範囲内になってしまう。「誰が死んでもおかしくないアニメ」であることが周知されてしまっているからだ。
だから、視聴者に衝撃を与え続けようと考えるなら、今度は別方向からのアプローチが必要となってくる。
脚本担当が虚淵玄氏であることを鑑みたうえで、それがどういったものになるかを予想してみると、答えは自ずと限られる。
キャラクターの死によって、世界の物理的な厳しさを思い知らせた後は。
キャラクターの苦悩によって、精神的な痛みを与えてくるものと、相場が決まっている。
そして、あのタイミングでのキュゥべえの登場。
見計らったかのような。
“待ちかねていたかのような”。
例えば、願いを持つ者の意思を察知して、素早くその場へ馳せ参じたというような想像も、できないことはない。
神出鬼没でテレパシー能力を持つキュゥべえならば、そうしたことができたとしても、決して不思議はない。
でも、しかし。
そうだとは、とても思えない。それが今の正直な気持ちだ。
さやかの語った「奇跡も、魔法も、あるんだよ」という言葉が、痛烈な皮肉のようにも思えてきてしまう。
この後の展開も、おおよそ予想できる。
労働には、それに見合うだけの対価が支払われるべきだけれど、現実は必ずしもそうではない。
働いたからといって、手伝ったからといって。
優しくしたからといって。
身を捧げたからといって。
それが必ず報われるとは限らないのだ。
なんて、重い、アニメなのか…!
魔法少女もののシナリオはポジティブでなければならないと、法律で決まっているわけではない。シナリオがどういったものになるのかは、作り手のさじ加減ひとつで変わってくる。
実際、アニメ以外の媒体では、意図してお約束を外した魔法少女ものも時折見られる。
だが、アニメというきわめて多人数が触れることになる媒体で、ここまで尖った作風というのはかなり珍しい。
その是非はすべてを見るまで問えないが、今の段階でも意欲的であることに文句のつけようはないし、個人的には楽しませてももらっている。
願わくば、それが最後まで貫かれることを。

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テーマ : 魔法少女まどか★マギカ
ジャンル : アニメ・コミック
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[アニメ]魔法少女まどか★マギカ 第4話「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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衝撃的すぎる魔女との戦いの結末のあと、「魔法少女まどか★マギカ」の第4話。
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魔法少女まどか☆マギカ 04話『奇跡も、魔法も、あるんだよ』 感想
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魔法少女まどか★マギカ 第4話 「奇跡も、魔法も、あるんだよ」
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