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「涼宮ハルヒの溜息」

シリーズ第2弾です。



シンプルですが、難しい話だと感じました。これはこの「溜息」に限定した感想という訳ではなく、作品全体に対して私が抱く印象のようなものでもあります。

シンプルと言いますのは、ハルヒとキョンの2人が、お互いに対して持つ恋愛感情の事です。

ハルヒはキョンの事が大好きですし、一度として明言はしていないながら、キョンがハルヒを想っている事も明白です。
周囲に対し、表面上どういった態度を見せるにしろ、ハルヒの内面は恋する少女そのものと言えますし、キョンはキョンで、あの傍若無人なハルヒの在り方そのものを認めんとするほどに強く想っています。時折差し挟まれる朝比奈さんとハルヒとの対比が、実際はハルヒに対する想いをカモフラージュする為に使用されているという点も印象的です。
この分かり易過ぎるほどにボーイミーツガールな構図は、シンプルと言う以外に表す言葉を思い付きません。

谷口氏の言う通り、さっさとくっついてしまえばいいと思うのですが、ハルヒは言わずと知れた「ツンデレ」なキャラクターですし、キョンの捻くれ度合いはそのハルヒさえをも上回るという、ある意味どうしようもない状況です。そういう訳で、2人が自分の気持ちに素直になれる時が訪れるのは、もう少し先の話になりそうです。

そして難しいと言いますのは、ハルヒの性格と性質の事です。

厳密には、ハルヒの持つ性格は、特に難しいという訳ではありません。あれほどのレベルはそう居ないにしても、自己中心的な性格を持つキャラクターなどは珍しくもありません。ただ、ハルヒの持つ「現実を願望によって侵食する」という極めて異常な性質が、あの自己中心的な性格と合わさると、非常に厄介な存在となってしまいます。そういう意味で、「涼宮ハルヒ」というキャラクターは、特に身近な人物にとって、存在そのものが難しいと言えます。

本巻では、様々な思惑の錯綜した様子を垣間見る事もできます。
古泉君の属する勢力は、ハルヒを「神」のような存在と認識しています。世界の崩壊と創世を司るとしており、事実ハルヒは願望によって物理法則さえ改変してしまいます。

一方朝比奈さんは、世界は予め「こういう世界」であったのだと語ります。つまり、宇宙人も未来人も超能力者も元々存在し、ハルヒの能力はそれを無自覚に発見できるというだけに過ぎないと言うのです。

長門さんの勢力にも異なる考えがあるようですが、作中でそれが語られる事はありません。彼女がどんな真実を言葉にしようと、キョンには信じる根拠が無いが故にです。そしてそれは、古泉君と朝比奈さんの主張に通じる事でもあります。

SOS団に籍を置く、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹の普通ではない3者は、実のところ、それぞれをあまり信用してはいないようです。
朝比奈さんは古泉君に対して懐疑的ですし、その古泉君は朝比奈さんを信用ならない存在であると断じています。しかも古泉君が言うには、「涼宮ハルヒ」を根幹にした理論を持つ集団は他にも多数存在し、それぞれが血で血を洗う抗争を、水面下で延々と繰り広げているとの事なのです。

そして長門さんは、そうした地球上での抗争を、ただ観察し続けます。彼女は、そして彼女の属する勢力は、ハルヒとそれを取り巻く状況をもっとも確実に把握していると思われますが、その情報が古泉君や朝比奈さんへもたらされる事は、恐らく無いでしょう。仮にあったとしても、彼らの勢力がそれを素直に受け入れるのかという問題もあります。
長門さん達にとって、生き残る理論がどれであるかの推察には意味がありませんし、このバトルロワイヤルに介入する意義もありません。最後に残ったそれを事実として受け入れ、観察を続けるだけの事だからです。

ここで肝となりますのは、3つの勢力の思惑はしかし、必ずしも3者の思惑と同義ではないようだという事です。
この時点では、誰を信じればいいのかすらわからないような状況です。しかし、時間の経過と共に、この状況が変わっていく事は間違いないでしょう。それが良い方向であるにしろ、そうでないにしろ、状況が大きく変わればストーリーも大きく動きます。即ち、今後面白い山場が訪れる可能性が少なからずあるという事で、読者としてはその時が楽しみです。

あと今回は、個人的な笑いのツボを突かれる箇所が比較的多かったように思います。そういう意味でも、本著には楽しませてもらいました。

「そういう意味でも」という言葉の通り、純粋に作品としても楽しめました。
ただしこれは、アニメによって大部分の情報が補完されているという前提があっての話です。更に言えば、これだけ伏線を張られた上で、続きを数ヶ月間待たねばならない状況に置かれたとしたら、こんな悠長な感想を言えたかどうか、定かではありません。

とはいえ、私の現状に照らし合わせた感想を述べるなら、やはりこの作品は面白いと言わなければならないでしょう。前述の事は、私のようにアニメから入った他のファンに対しても言える事なのです。即ち、アニメを視聴した上で原作に興味を持ち、「涼宮ハルヒの溜息」を手に取った方ならば、私と同様に楽しめる可能性が幾らかは存在するという事です。

以上をもって、この作品に関する雑感といたします。

余談ですが、谷口氏の「さっさとくっついちまえ」発言の出所が何処であったのかがとんと思い出せず、一時間近くも探し回る羽目になりました。原作全8巻に加え、漫画版にまで手を出してしまった所為で、頭の中の情報がえらく混乱気味です。
そういえば、全8巻と書きましたが、実は正確ではありません。在庫が無かったという致し方ない理由により、「消失」だけは未だに手に入れていないのです。第3巻に相当する「退屈」へ収められている「笹の葉ラプソディ」と共に、もっとも興味のあったエピソードでしたので、この現状には遺憾を覚えます。まぁ、もう少しの辛抱だともわかってはいるのですが。
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