スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「とらドラ!」 第1巻

タイトルは、虎と竜の意と思われます。
虎の「とら」と、竜、即ちドラゴンの「ドラ」を合わせて「とらドラ」という訳です。



遥かな昔より、虎と竜は相打つ存在として描かれ、認知されてきました。
「遥かな昔」がいつであるのか、相対するよう描かれ始めた理由は何なのか、そういった事は私には判りませんし、調べようという気もありません。ここで重要なのは、「とりあえず世間的にはそう認知されているようだ」という事実であり、それを認識する事です。

上記をふまえたうえで、本著の内容を簡潔にご説明したいと思います。
眼光だけで人を恫喝できるほどの凶悪極まりない目つきと、専業主婦も裸足で逃げ出す驚嘆すべき家事の手際を持つ少年、高須竜児。彼こそが本著の主人公であり、「竜」となる存在です。

対する「虎」は、非常に攻撃的且つ粗暴な性格を、人並み外れて小さな体躯に宿した少女です。しかし、小さいからといって侮ってはいけません。その小さな身体は、彼女の攻撃性を存分に発揮しうるポテンシャルを持っているのですから。
ついたあだ名は「手乗りタイガー」。彼女の本名は、逢坂大河といいます。

本著は、そんな2人が学内最強を、そして真の番長の座を賭けて戦う物語などである筈はなく、そんな2人が中心となって繰り広げられる、ラブコメなお話です。

主人公、高須竜児君は、外見こそ札付きの不良のようだったり、学校内を力によって支配していそうな雰囲気ではありますが、その実健全で健康な精神を持つ、ごく普通の高校2年生です。地獄の閻魔大王もかくやというその目つきと、元来の人付き合いの苦手さが災いし、誤解を受けてしまう事が多いだけなのです。

一方、ヒロインの逢坂大河嬢に進呈された、本人にとっては不名誉であるらしいそのあだ名は、彼女が人形のように可憐で愛らしい外見をしているにもかかわらず、その内面が類い稀なる攻撃性によって満たされている事に起因して名付けられました。
そして近年では、彼女のようなキャラクターをカテゴライズするために、まるでしつらえたかのように相応しい言葉が存在します。人は彼女のようなキャラクターを、尊敬と畏怖を込めてこう呼ぶのです。「ツンデレ」と。

ストーリーの方はと申しますと、主人公とヒロインが、お互いの友人に好意を抱いており、偶然にその事実を相互に知る事となった2人が、協力し合って意中の相手を振り向かせようと頑張るお話となっています。

その頑張りが的外れに過ぎていたり、大河嬢の持つ固有アビリティ「ドジ」が事ある毎に発動してしまったり、竜児君がここぞという場面でヘタレ属性を発揮してしまったりと、そんなこんなでなかなか思うようにはいきません。ですが、そうやって協力し合っているうちに、2人はお互いの事を、自然な流れで知っていく事になります。
「互いに理解し合える稀有な相手」、それは恋人同士というのとは、少し違うかもしれません。言うなれば「戦友」、これこそが2人の間柄を表すに相応しい言葉だと思います。

とは申せ、物語が完結した時点でお互いに好意を抱きあっているのも間違いありません。
大河の方は、口では「北村くんのこと諦めたりしない」などとうそぶいていますが、それが建前に過ぎない事は明白であり、自分が本当に想っている相手が誰なのかも、恐らくは自覚しています。

竜児は、どうやら本当に無自覚のようです。
「ワープ」だなどという誇大な表現を用いてまで全力で助けたかった相手なのですし、それに関しては自分自身でも自覚しているようなのですが、その意識の裏にある感情については、まったく気付いてすらもいないようです。
終盤のアレなどは、傍から見ているともはや告白にしか見えない訳ですが、こうした作品の主人公は、「絶望的な鈍さ」という呪いのアイテムをデフォルトで装備していますので、これはもうどうしようもありません。

作品内で、大河の想い人として書かれているのがメガネの委員長こと北村祐作氏なのですが、本著におけるMVPは、彼であると個人的には思います。
キャラクターとしてはあまり目立っていませんが、しかし彼の立つポジションは、他の誰であろうと全うする事は難しかったでしょう。彼であったからこそ、大河は違える事無く正しい道を選ぶ事ができたのだと思います。

簡単にまとめます。
本著の特筆すべき点は、何を置いてもまず文章のテンポの良さです。流れる水が留まる事を忘れたかの如く、すっと頭に入ってくるその文章は、非常に読みやすく、理解が容易です。
比喩を多用する谷川流氏の文体とはある意味対照的ですが、あちらはあちらで良いように、こちらはこちらで良さがあります。少なくとも、ごくわかりやすくラブコメな本作品にとっては、こちらの文体の方が適しているのは間違いないでしょう。

視線で人を射殺せるかもしれないというほどに凶悪な目つきと、誰よりも善良な精神を併せ持ち、尚且つ家事全般において最強の戦士である主人公と、誰もが腕を組んで「ああ、これはツンデレだな」と頷くようなヒロインの2人が織りなす王道中の王道なラブコメディ。本著を端的に言い表しますと、そのような感じになります。

率直に言いまして、面白いです。どのくらいかと申しますと、眠くなるまでの場繋ぎとして開いてみましたら、いつの間にやら睡眠時間が半分近くにまで減っていたという程度には面白いです。休憩すら挟まず、完全に一息で読み切ってしまいました。
実は、第2巻も既に手元にあったりします。暇を見つけて追々読むつもりですので、その感想も、遠からず書く事になると思います。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリー
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
最近の記事
リンク
おすすめ品

少女セクト 1
少女セクト 1
感想

少女セクト 2
少女セクト 2
感想

君が僕を
君が僕を
感想

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
感想

劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)
劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)
感想

リトルバスターズ!エクスタシー 初回限定版
リトルバスターズ!エクスタシー 初回限定版
感想

円環少女
円環少女
感想

ALL YOU NEED IS KILL
ALL YOU NEED IS KILL
感想

RSSリンクの表示
ランキング

FC2Blog Ranking

人気ブログランキングへ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。