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「ぼくと魔女式アポカリプス」

水瀬葉月氏の著作です。



続きを読みたくもあり、また読みたくもなし。
面白い作品ですので、続きを読みたい気持ちは勿論あるのですが、しかしこの物語は破滅的なエンディングが予め確定しているという、言うなれば既に終わった物語です。タイトルにある通りの、終末を予言したと言われる「黙示録」そのままなのです。
その登場人物達が不幸かどうかはともかくとして、では彼らが客観的に見て幸せかと申しますと、恐らくは違うと思います。
そんな物語を好んで読み進めたいかと問われたなら、少なくとも私は逡巡してしまいます。
してしまいますが、やはり読んでみたいのだと思います。ある1つの理由があります故に。

主人公と申しますと、「ごく普通の○○」などという風に称される事の多い存在です。しかし本著の主人公は、そうした「普通」を何より嫌う少年なのです。
普通を嫌うが故に髪を金色に染め、教室にノートPCを持ち込み、うるさい教師を脅迫によって黙らせ、そのうえで悪くない成績を維持し、一人称は似合わない「ぼく」である彼はしかし、それでも「普通」から脱却できているとは言えません。
人は、彼のような存在を変人と揶揄するでしょう。そしてそれは、彼の望むところであるようにも思えます。
ですが、その認識は誤りです。何故なら、結局はそれも、「変人」という一般的なカテゴライズから抜け出せていない事を意味しているからです。
そんなへそ曲がりな彼が、とあるきっかけから「普通ではない事態」に巻き込まれていくというのが、本著のストーリーとなります。

本著のヒロインは、その「とあるきっかけ」となる存在です。
外見はおとなしめで、性格も明るい方ではありません。その人付き合いの苦手さも相まって、同級生達ともあまり仲良くできていません。はっきり言えば、苛められっ子です。
主人公とは性質のまったく異なる彼女が、如何にして主人公を異常へ巻き込む「きっかけ」足りえるのかと申しますれば、それは彼女が紛う事無き「魔女」であり、その存在自体が主人公の興味を惹き付けるに十分だったからに他なりません。
そしてもっとも大きな理由は、彼女が主人公に好意を寄せていた事でしょう。

そんな2人が、前述の「きっかけ」を基点に出会い、様々な出来事に巻き込まれていく訳です。

眼鏡、幼馴染、妹、ツンデレ、エルフ耳、魔女っ子、ついでにショタと、本著には多数の萌え要素が内包されています。これだけあれば、ヒットするものの1つくらいは誰にでもあるのではと思えるほどです。
そのように華やかな外観は、しかしこの作品の本質を表してはいません。
ラブコメのような展開も差し挟まれはするものの、基本的に世の中は甘い事だけで出来ている訳ではないという現実的な法則が本著の世界観にも適用されておりますようで、大半は甘くない展開ばかりです。そうした理由もありまして、本著は万人に勧める事のできる作品とは言えません。

内容への直接的な関わりが薄い造語や、言葉遊びが随所に見られる事から、奈須きのこ氏の文章を思い起こさせられましたが、恐らくこれは私だけではないでしょう。頻度で申しますと、本著の方が若干多いと思われます。
物語の導入部分からして既にそうですので、その時点で拒絶反応を示してしまう人も、中にはいらっしゃるかもしれません。また、ストーリーの特異さも、拒絶を示す理由としては十分だと思います。ですが、あえて言いましょう。そうした判断は早計です。

端的に申しまして、本著は非常に面白いです。読む価値のある作品と申せましょう。
特に後半の展開は凄まじく、例えるならそれは押し寄せる濁流のようでもあり、例えるならそれは強制的に乗せられたジェットコースターのようでもあります。つまり、逃げ場の無い怒涛の展開なのです。
残る読後感は、一時の間、読者にその衝撃を忘れる事を許しません。その良い悪いにかかわらずです。

総括としましては、眼鏡のヒロインは最高であるという事を、是非にでも言わなければなりません。ある意味では、アヴェイラーズ様(様付け必須)も最高です。冒頭に書いた「続きを読みたい理由」の最たるものは、まさしくこれの事なのです。

眼鏡からコンタクトへ代えたヒロインに、「眼鏡の方が良いから戻せ」などと言ってしまうような漢気溢れる主人公は、なかなかに希少なのではないでしょうか。某ハルヒの主人公とは大違いです。
それに素直に従うヒロインもまた、素晴らしいと賞賛されて然るべきです。このような理由があります故に、続巻が出たとしたなら、私は迷わず買う事になると思うのです。割と評判も良いようですから、その機会は遠からず訪れる事になるのではないでしょうか。
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