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「イリヤの空 UFOの夏 その3」

著者は秋山瑞人氏、シリーズ第3巻です。



この作品の方向性がわからなくなってきました。
一言で申しますれば、「無銭飲食列伝」が面白過ぎるのです。
1巻、2巻と読み進めていく過程でこの作品に対する認識を改めはしましたが、それは最終巻にて訪れるであろう感動のラストまでを否定するものではありませんでした。
ですがそもそも、この作品のもっとも評価を受けているポイントは、第1、第2巻の「正しい原チャリの盗み方」や、第3巻の「無銭飲食列伝」のような、コメディ色の強いエピソードなのではないかと、ここにきて思うに至ったのです。

というのが「無銭飲食列伝」を読了し、「水前寺応答せよ」に入る前の私の感想でした。
「水前寺応答せよ」では、物語は一転してシリアスな方向へ向かっていく事になり、それまであったコメディの色は、すっかりとなりを潜める事になります。つまり実際には、元の認識のままで問題なかったようなのですが、それにしても「無銭飲食列伝」は、規格外とでも言うべき面白さでした。
ある意味、女の子をこれほど魅力的に描き切った物語は他にないでしょう。ごく単純に萌えられるようなストーリーではありませんが、キャラクターが素晴らしいまでに活きています。その事が、萌えすら凌駕する圧倒的な魅力を、キャラクターに与えているのです。

さて、先に書きました通り、物語は後半の「水前寺応答せよ」に至ってシリアスの色を一気に強める事となり、その流れのまま最終巻へと至るものと思われます。
園原基地付近で起こった謎の爆発を発端とするこの物語は、タイトルに水前寺邦博の名を冠しているにもかかわらず、彼の出番は他のエピソードにも劣る程度しかありません。ですがその役回りは極めて重大かつ重要で、彼の所在がこの後の物語の行く末を左右すると言っても過言ではないほどです。
そして、彼が1人己が道を突き進む間も、外の世界では凄まじいまでの速さで物語が動いていく事になります。その渦中、と申しますよりほぼ中心にある筈の主人公浅羽直之は、ですが真実からはもっとも遠い位置にいるのかもしれません。

推測はできたとしても、またそれが確信に足る証拠を見つけたとしても、彼には満足に行える事が何一つとしてないのです。それは彼が義務教育さえ終えていない子供であるという事以上に、その渦たる状況があまりにも巨大過ぎるが故の、言うなれば仕方のない事なのですが、発展途上とはいえ1人の人間の意識がそのような現実を易く受け入れられる筈もなく、彼は苦悩を抱えたまま日々を過ごしていき、そして状況は更に混迷の度合いを増し続けていく事になります。

シリアスな物語は嫌いではないのですが、本作品のそれは強力なリアリティをまとっているが故に、時として読み進める事を苦痛とすら感じてしまいます。この感覚を以前に味わった記憶があるのですが、それにつきましては最終巻読了後に書かせていただこうと思います。
少年少女達が織り成す等身大の物語が、果たしてどのような結末を迎えるのか、その答えは最終巻にある筈です。それを見極めたいと思います。
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