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「イリヤの空 UFOの夏 その4」についての補足

今更な感も漂ってはいますが、普段から忠告なしにしまくりな、ネタバレに関してです。
直接的な表現は避けて書いているつもりではいますが、内容が最終巻についてである以上、効果があるとは思えません。そのような訳で、気にする方はくれぐれもご注意下さいませ。



敵の総戦力がどの程度の規模であったのかは憶測の域を出ませんが、結果から申しますれば、ブラックマンタより下だったという事になります。
ですがブラックマンタの戦闘能力がどの程度のものであるかは、作中では明言されません。コストパフォーマンスを度外視した最新技術の塊である事は容易に想像ができますが、武装について具体的に語られる事がないために、その攻撃力がどの程度のものであるのかは計りようがないのです。敵戦力が未知数である事と併せて、戦いがどのようなものであったのかは、結局憶測の域を出る事がありません。

描写をそのまま受け入れるなら、少なくとも人が手綱を握れるようなレベルの兵器ではないのでしょう。それでも最後の希望と信じたのですから、最低でも核くらいは凌駕するほどの戦力であっただろう事は想像に難くありません。実際、その身に抱えた巨大なミサイルは、核か、それに類する破壊をもたらす力が内包されていたものと思われます。
解き放たれた伊里野が戦術も戦略も構わず本能の赴くままに暴れ回り、結果として敵勢力を全滅、もしくは降伏ののち撤退させたという事実は、たとえそこに相打ち覚悟の一矢があったのだとしても、ブラックマンタの前に敵勢力の悉くが膝を屈したという結果を残しました。敵の総戦力と、ブラックマンタの戦闘能力に関しましては、その結果こそがすべてであると結論付けていいと思います。

とは申せ、極端な話、そういった情報は本作品において特に重要なものではありません。大事なのは、浅羽が何を考え、どう動いたか、そして伊里野がそれをどう受け止めたかです。戦いの過程と顛末などは些事に過ぎないのです。
本作品は、2人の物語です。2人だけが世界の中心にあり、それ以外の存在は物語を脚色するための要素でしかないのです。

しかしそれでも、榎本という存在には一目置かざるを得ません。
彼は何処までもずる賢く、卑怯な男です。彼は最初からすべてを知り、理解し、そのうえで行動していました。
状況が、自分が動いたところでどうにもならない事さえも理解した上で、その中での最良を模索し続け、ついにそれを成し遂げたのです。そこには、自分が辿り着くであろう終着駅の事までもが計算に含まれていたのだと思います。
あれを逃げだとは思いません。むしろ、けじめとかそういう風に解釈するべきでしょう。実も蓋もない言い方をしますと、後始末です。それを自らの意思で仕向けたのですから、誰にも、たとえ浅羽にも、文句など言えよう筈がありません。

何より始末に終えないのは、彼が誰より人を、世界を愛していたという事実です。だからこそ彼は、自身が地獄へ堕ちなければならない事をよく理解していました。
だから卑怯なのです。他に選ぶ道のない状況へ半ば強制的に誘導していくというその恐るべき狡猾さは、他に表す言葉を見出せません。
本来浅羽や伊里野が背負う筈だった業のすべてを引き受けて地獄へと堕ちていった彼は、或いは真の英雄と称されるべき存在なのかもしれません。誰が知らずとも、誰が忘れようとも、浅羽だけはその事を、決して忘れないでしょう。たとえそれが、好意的な見方ではなかったとしてもです。



さて、その3の感想にて予告していながらも書いていなかった事を、ここで補足したいと思います。
まず、水前寺の顛末についてですが、これは私も予想外でした。予想なのですから、裏切られるというのもあるべき結果の1つなのですが、こうまで外れるとは思っていなかったというのが正直なところです。まぁ、これに関してはさして重要な問題でもないと思います。

そしてもう1点、本作品を読んでいて連想させられた、とある作品についてです。作品名は「最終兵器彼女」。「いいひと。」や「きみのカケラ」で知られる高橋しん氏の作品です。
簡潔に申しますと、最終巻中盤の展開がよく似ているのです。細かいところでは大分異なりますので大筋でという意味になりますが、連想させられる程度には似ています。
どちらが優れているかという比較に意味はありませんし、するつもりもありません。ただ、この「イリヤの空 UFOの夏」を好きな方なら、「最終兵器彼女」も同じように楽しめるのではないかと、そう思いました次第です。



現時点で書きたい事はあらかた書いてしまいました。
何だかんだと言いつつも、私はこの作品が好きなのかもしれません。こうやって滅多にはしない「補足を書く」という行為に及んでいる事が、その証拠と言えない事もないでしょう。
機会があれば、秋山瑞人氏の他の著作にも手を出してみたいと考えています。実は、積んでいる書籍が何冊かありますので、それが実行できるのは幾らか先の事になりそうではあるのですが、実際に出しましたら、その時はまたここに書きたいと思います。
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