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「レジンキャストミルク」

著者は藤原祐氏、挿絵は椋本夏夜さん、シリーズ第1巻です。



本作は、少しばかり特殊な試みのなされている作品です。
ライトノベルというのは、その殆どが萌え萌えな挿絵を用いているものなのですが、更にその殆どにおいて、文章と絵とは直接的にリンクしてはいません。著者は文章を書き、イラストレーターは作品の設定にそって絵を描くという明確な分業が、ライトノベルの一般的なスタイルとなっているのです。

本作品の場合、イラストレーター氏が作品の企画段階から参加する事により、キャラクターの外見に留まらず、その描写や設定の一部に至るまでをよりしっかりと肉付けしようという試みがなされています。その結果が出ているのかどうかはこの第1巻の時点では明言しかねますが、少なくとも文章と挿絵との間に齟齬を感じる事はありませんでした。問題の生じる可能性を減ぜられたというだけでも、その効果は十分にあったと言えるのではないでしょうか。


さて内容の方ですが、この作品に対して私は無糖のお茶のような印象を抱きました。
濃くも薄くもないちょうどいい濃度で、ごくごく飲める感じのお茶です。緑茶でもウーロン茶でも紅茶でも、中身は何でも構いません。あまりにもありふれた味で印象には残りにくいのですが、だからこそ何杯も飲む事ができるという訳です。

正直な話、私は本著を読んでいる最中にはこの作品を特に面白いとは思っていなかったのです。何となく読み進め、何となく読み終えていたという印象なのですが、しかし読み終えた直後から続きを読みたい衝動に駆られて仕方がなくなってしまいました。これはやはり、理屈の上でどう思っていようとも、実際には面白いと感じていたという事なのでしょうか。

もっと適切な表現を探すなら、「第1巻の時点では評価不能」という風に落ち着きそうです。最初からシリーズ化を前提に書かれた作品のようですし、実際に消化し切れていない伏線も幾つか残されたままです。この時点ですべてを決してしまうのは、早計という事なのでしょう。


ストーリーは「学園を舞台にした異能力バトルモノ」という、ごくありふれたものです。特筆したい事柄は幾つかありますが、長くなりそうですので掻い摘んで書き綴る事にいたします。
まず、ヒロインである城島硝子の背景について。
彼女のアイデンティティとも言うべき生じた背景ですが、これは率直に面白いと思いました。アイディア的には、似たような事を先に行った作品はあると思いますが、あえて「あの事件」を持ち出してきたあたりが素晴らしく面白いと思うのです。

次いで彼女の能力についてなのですが、これにはいささかながら首を傾げたいところがあります。全一オール・イン・ワンなどという大それた能力名を持ち、黒幕をして「最狂」と言わしめている割に、彼女のそれは弱過ぎるように思えるのです。具体的に申しますれば、まず隙が大き過ぎます。そして、その割には効果が地味過ぎるのです。ただし、これについては未だ力の全貌を見せていないと考えれば、つじつまは合います。恐らく、彼らはまだ発展途上にあり、そして本著においても力のすべてを見せた訳ではないのでしょう。能力発動の際の描写がやたらとエロいのは、もはやこういう作品においてのお約束です。

上記に関連する事でもあるのですが、登場キャラクターの1人、舞鶴蜜についても少々。
彼女の持つ能力は、枷がないと仮定した場合、恐らく城島硝子のそれを圧倒的に上回る威力を見せ付ける事になるでしょう。勿論本著内の描写からの推測に限った話ではありますが、それだけの力の差があるように見受けられるのです。

ただし、彼女の能力は安定してハイスペックな代わりに、通じない相手には酷く脆いのではないかとも思われます。力の上下ではなく、能力が物理的に通じるかどうかが鍵です。
勿論、彼女もまた本著の中だけで全力を出し尽くしたわけではないでしょうし、恒常的に枷を嵌められた状態にある彼女の、その枷がないとする仮定自体が無意味です。更に申しますれば、あの攻撃が見た目通りに物理的なものと決まった訳でもありません。

単純に順位で言うなら、トップに柿原里緒、その下に速見殊子と佐伯ネアが並び、更に下へ舞鶴蜜と城島硝子が追随するかたちになりそうです。ただ、硝子の力は使役者であり主人公でもある城島晶の動き如何によって無限大に増大する可能性があるため、この順位もやはり一概に断定する事はできないと思われます。


総括しますと、「面白い作品」という事になると思います。
続巻を読んでみない事には結論は出せませんがしかし、続巻を読みたいと思わせた段階で、少なくとも私には勝利しています。その程度には最低でも面白いという事です。
そのような訳で、遠くないうちに続巻にも手を出す事になると思います。
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