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「ジャストボイルド・オ’クロック」

著者はうえお久光さん、他の著作に「悪魔のミカタ」シリーズなどがあります。
イラストは藤田香さんです。



遥かな未来、世界は一度滅び去りました。
人類はその滅びを乗り越えましたが、同時にある変化をも甘受する事になります。
「珪素脳」という、人体には本来有り得ざる器官を生まれ持つようになり、それによって母胎から生まれると同時に身近にある機械とリンクし、「家電」とします。
「家電」とは、人の珪素脳とリンクする事で自我を得た機械達の総称です。人と家電は、その望むと望まざるとにかかわらず、共生の状態にあります。何故なら、人の珪素脳は「家電」を失うと、暴走して自らの身体をガラス化させてしまうからです。
そんな、遥かな未来。少しばかり訳アリの過去を持つ探偵と、その相棒が巻き起こすSFアクションです。



特徴的な文体を持つ作品です。
古いとか新しいとかではなく、今まで目にした事がないという意味では新しいのかもしれませんが、ともあれ独特です。それをどう感じるかは読者によると思いますが、私は気に入りました。

キャラクターも良いです。
特に、主人公とその相方。「適当」をこそ信条とし、頑張り過ぎず、ちょうど良い感じでやっていこうという彼らの在り方には、共感を覚える方も少なからずいるのではないでしょうか。
いつもは軽口を叩き付け合い、時には手や足も出はしますが、心の奥底ではしっかりと絆で結ばれ、互いに絶対の信頼を置いているという彼らの在り方は、凡庸と言ってしまえばそうですが、だからこそに良いものです。
サブキャラクター達も個性に溢れており、影の薄いキャラを探す事の方が難しいです。

シナリオもよく練られているという印象で、伏線とその回収もしっかりとなされており、目立つような穴はありません。
構成がやや煩雑で、把握するのに少しばかり苦労しますが、そこを乗り越えてしまえば、かなり楽しめる作品だと思います。

ただ1点、本当の意味での憎むべき悪役が存在しない事は、悪所と言えるかもしれません。
見方によっては長所でもあると思うのですが、本作品の場合も長所ともなり得ると思うのですが、しかしその所為で緊張感、緊迫感といったものを希薄にしてしまっている事は、悪所と呼ぶ事もできるでしょう。終盤の展開は危機と呼ぶに十分なものでしたが、敵役があまり必死に見えない所為で、いまいち緊迫感に欠ける印象があるのです。

100点満点で評しますと、89点といったところです。大台に乗るには、ほんの少しだけ物足りませんでした。しかし、もし続巻が出るのであれば、私は買うと思います。今後の展開に期待の持てる作品です。
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