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「とらドラ5!」を読みました

著者は竹宮ゆゆこさん、イラストはヤスさんです。

とらドラ5!

夏休みも終わり、季節は初秋。
竜児達の通う学校は、文化祭へ向けて、徐々に色めいていました。

そんなある日、大河の父親が突然現れて、「大河と暮らしたい」という意思を示します。大河はそれを激しく拒絶しますが、竜児は何とか受け入れさせようと説き伏せます。

かたや、文化祭の出し物選考も一筋縄ではいかず、男子達の思惑と、最狂・櫛枝実乃梨のそれが火花を散らしたり、またミスコンにおけるクラス代表の選出にも一悶着あったりで、すんなりとは決まりません。

それぞれの思惑と混乱を引きずったまま、文化祭の当日を迎えることになるのですが…



まさに最狂でした。
今までにも奇行が散見されたと申しますか、行動の8割ぐらいがおかしかった、主人公高須竜児の想い人こと、櫛枝実乃梨嬢。彼女はこの第5巻に至って、落ち着くどころか更にレベルを上げていました。

文化祭の出し物を決めるホームルームで、興奮のあまり鼻血を噴出したのです。この時点で既に、かなりの高レベルさですが、自分の提案が通り難いと見るや、人質を取って脅迫などをしだします。勿論、この間も鼻血は止まっていません。

拳や足による物理的な暴力と、言葉による精神的な暴力においては、学校内でも最強の呼び声高い、手乗りタイガーこと逢坂大河嬢。ですが、如何に凶悪と言えども、それは常識の範疇でのことです。

みのりんは、その常識を逸脱しています。
人は、例えば大きな熊に出会った時、例えば狭い密室内でGと鉢合わせしてしまった時、例えばUFOに乗った宇宙人と遭遇してしまった時、言い知れない恐怖を感じるでしょう。
その恐怖が何処からくるのかと申しますと、一端には「相手が何を考えているのかわからない」という事実があります。こちらの意思を伝えられず、また相手の意思も伝わってきません。簡潔に申しますならば、「何をされるのかわからない」という、生物としての根源的な警戒心からくる恐怖です。

最狂・櫛枝実乃梨には、その根源的な恐怖心を抱いてしまうのです。言動の破天荒さゆえに、何を考えているのかわからないからです。
いえ、何を考えているのかがわかっても、一瞬後に何をするつもりなのかはわからないままです。それが、対峙するものを後ずさらせ、大いに引かせ、彼女を「最狂」と言わしめる原因です。

そんな性質を持っているくせに、外見はヒロイン候補の一角として十分なものをそなえているあたりがポイントです。その外見と内面のギャップこそが、彼女の魅力の本質と言えるでしょう。

そんな子に惚れてしまった竜児も、難儀な男です。
しかし、たとえベタ惚れしている相手であろうと、正しいと信じることのためになら本気の喧嘩ができる竜児は、ある意味凄く格好良いと思うのです。

竜児もみのりんも、大河のことを心の底から大事に思っているからこそ、ああやってぶつかり合うことになったわけです。結末はあのような形になりましたし、真に純粋な気持ちではなかったかもしれませんが、その奥にある想いが本物なら、行動もまた本物たりえると思うのです。それが正しいかどうかは、結末が示してくれています。

さて、実乃梨と亜美の様子があからさまにおかしくなってきたことで、無いと思っていた主人公が複数キャラに惚れられる展開、いわゆるハーレム展開の可能性がちょっとだけ増したように思います。
この巻では理由が明かされなかったことから、それなりに重要な複線であると推察できます。ならば、それが単純に、主人公へ気を向けているからと解釈しても、問題はないでしょう。

ですが、この作品の空気からしますと、そういう展開は無いとも思えるのです。
たとえば、亜美の「高須くんと同じ地平の、同じ道の上の、少し先を歩いて行く」という台詞などは、少し見方を変えると、まんま告白です。
実乃梨のよそよそしい態度も、裏に悪感情が無いのであれば、照れがあるからと考えるのが順当です。

でも、竜児にとって大河の存在は、今や別格の域にまで達しているように思うのです。
竜児が実乃梨と喧嘩になったのは、大河のことを思うがあまりのことでした。大河のことを案ずるがゆえに、実乃梨と口論にならざるを得なかったわけですが、少なくともこの時点で、大河のことを実乃梨と同じくらいのレベルで大事に想っていることがわかります。

気が付くと、みのりんを差し置いてまで大河のことを優先している竜児は、実は既に、大河にベタ惚れしちゃってるのではないかと、そう思うのです。そのため、ハーレム展開はなく、あったとしても当て馬的な扱いになるのではないかと思います。

そのように考えますと、本シリーズの結末は、割とすぐそばまで迫ってきていると言えるのかもしれません。
あとがきを見るに、続巻は早ければ年内とのことです。複線のこともありますし、早めの刊行が望まれます。
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テーマ : ライトノベル書評
ジャンル : 本・雑誌

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