らき☆すた 第24話 「未定」

のんびりまったりゆるーく続いてきたこの「らき☆すた」も、今回でついに最後となります。その最終回に相応しく、これまでに登場した原作キャラの、恐らくすべてが登場していました。
それだけではなく、宮河ひなた・ひかげ姉妹や、桜庭ひかる先生といった、今まで殆ど出番の無かったキャラクター達の登場までありました。

立木文彦氏やくじらさんの演じるその他大勢も、今まででもっとも混沌の様相を呈していました。
元々は狙ってキャスティングしたわけではなかったのかもしれませんが、今となってはそれすらネタのひとつという扱いです。今回に至っては、演じ分けを最初から放棄していたフシさえあります。

また、作画にもかなり気合が入っており、無駄と思えるほどによく動いていました。
脚本は原作者の美水かがみさん自らが担当し、絵コンテは監督の武本康弘氏が切っています。
考えうるおよそすべての点において、これまでの集大成と言ってよく、最後を飾るに相応しい回だったと申せましょう。

そして、その中核に据えられたのは、「オープニングのダンス」です。
文化祭のオープニングセレモニーの一環として、こなた、かがみ、つかさ、みゆき、ゆたか、みなみ、ひより、パティ、みさお、あやのの総勢10人が、チアガールの装いにてダンスを踊ることとなります。
演目は勿論、「もってけ！ セーラーふく」。まさしく、オープニングの再現です。

スケジュールの厳しさと、ダンスの難易度の高さから皆苦戦しますが、それでもリハーサルには見事成功させ、あとは本番を待つのみとなります。

そして、本番当日。
幕の上がる直前、真っ暗な舞台の上で、皆緊張でガチガチになってしまいます。
数百人の視線が集まる中でダンスを踊るというのは、途轍もないプレッシャーになります。緊張するなと言う方が無茶な話です。

そんな中、白石みのる氏の、本人にとっても予想外なファインプレーによって、会場が、そしてこなた達が、爆笑の渦に巻き込まれます。
余計な力が抜けて、平静を取り戻した一同。上がりゆく緞帳と、漏れ出す光をまっすぐに見据え、いざ本番と相成ります。

といったところでエンディングです。
本番をあえて描かないという演出がニクイですね。
最後の最後まで山もなく谷もなく、良くも悪くものんびりまったりゆるーいままのアニメでした。この最終回は、「これこそが『らき☆すた』である」という、製作スタッフの、そして原作者からのメッセージなのでしょう。

そういえば、今回こなたがチアダンスの実現へ積極的になったのは、パティからの握手会参加チケットによる買収を受けたためでしたが、そのことは結局ばれず仕舞いだったようです。
もしばれていたら、かがみから物凄い剣幕で怒られたでしょうから、隠すなら徹頭徹尾そうする必要があり、その結果ばれずに済んだということだと思います。
とはいえ、ばれたらばれたでそれを見てみたかった気もしますが、そういうハイテンションな終わり方は、らきすたには合わないと考えられたのでしょう。

更にそういえば、結局仲が悪いまま終わってしまったあきら様と白石みのる氏でしたが、本番前日のリハーサルでは、仲が悪いなりに漫才のようなことになっていました。
ゴトゥーザ様のお説教が効いたのかどうかはわかりませんが、少なくとも一目のあるところでは仲良い風に見せているようですし、あれはあれで上手くやっていけているのかもしれません。

と申しますか、今回の2人の関係は、恋愛を主軸とした少女マンガにありがちな、『お互い印象最悪のところから段々仲良くなっていき、そして恋仲へ』という構図にしか見えませんでした。リハーサルの罵り合いが漫才であるというのなら、さしずめ夫婦漫才といったところでしょうか。
あの2人に幸あらんことを、こっそり祈っていようと思います。