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いたいけな主人を読んだ

どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人 (ガガガ文庫)

著者は中里十
イラストはしめ子
サブタイトルは「どろぼうの名人サイドストーリー」

私が前に読んで感想を書いた、「どろぼうの名人」という作品の続編
というより、設定を同じくして書かれた別のお話である
より正確を期すならば、こちらが先で、「どろぼうの名人」のほうが後なんだそうだ
ともあれ、どろぼうの名人は大好きな作品なので、続きじゃなくても同じ世界観の話が読めるというのは嬉しかった
そんな期待を込めて手に取った本だったわけですが
結論から先に言ってしまうと、期待以上だった

前作の感想を書いたときに、文章が独特で読みづらいというようなことを書いた覚えがある
しかし、ここにきて確信した
この独特な文章は、世界観だ
著者の作り出した世界を書き表すためのパーツ
それがこの独特に感じられる文章なのだ
そして驚くべきことに、それが読みやすくなっている
こちらのほうが、「どろぼうの名人」より書いたのは先だったそうなので、筆力が上がったということではないと思われる
ではなぜ読みやすくなってるのかというと、恐らく「どろぼうの名人」にあった視点の切り替えが、本作にはなかったからだと思う
構造として単純化されているので、それで読みやすく感じたということなのだろう

ただ同時に、新たな問題を抱えてしまってもいる
本シリーズは、恐らくは第二次世界大戦を違う結末で終えたか、もしくはその後に大きな異変があって、実際の日本とはまるで違ってしまった世界が舞台になっている
断言しないのは作中で明言されないからなのだが、それはまあ置いておくとして
端的に言えば、ロシアの影響力が現実の日本よりも遥かに強い
ロシアはその力でもって日本の内部に干渉し、千葉県のあたりをひとつの国として独立させている
共産主義であり、現代風にアレンジされた王政を採用した国だ
そこへロシアが基地を置き、軍隊を駐留させている
日本、つまり千葉の外との関係は決して良好とは言えず、テロや暗殺事件もよく起こる
そういう世界だ
主人公は千葉国王室直属の女性護衛官であり、ヒロインは女王自身なのがこの物語である
そしてここからが本題なのだが、その設定にまつわる説明が少しばかり冗長なのだ
話を進めるためには必須なものも確かにあるのだが、もう少し減らせたような気もする
物語の一番いいところで説明過多になってしまっていたので、あれでは読み手を興醒めさせてしまうのではと心配になった

だがしかし、その問題を抱えてなおこの作品は素晴らしい
主人公やヒロインたちは、決して貞淑ではない
好意を寄せられればふらつくし、身体を重ねてしまうこともある
目的のために手段を選ばないこともあるし、時にはしたない真似もする
淑女というにはあまりに遠い
だがそれゆえに純粋で、それゆえに一途だ
百合が女性同士の恋愛を指す言葉であるのなら、この作品ほどそれを体現しているものはないだろう
そういう意味で、この本は最高の百合作品のひとつに数えられると私は思う
百合の本質を繊細に、かつ荒々しく抉り出した快作でした
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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 本・雑誌

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