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葉桜が来た夏4を読んだ

葉桜が来た夏〈4〉ノクターン (電撃文庫)


著者は夏海公司。
イラストは森井しづき。
サブタイトルは「ノクターン」。

最長部数kmという文字通りに天突くがごとく巨大な“十字架”が、琵琶湖の中心に落着する。それが物語の発端だ。
その巨大な十字架は異星人の移民船であり、落着に先立って地球人類側が核による破壊を試みたことを切っ掛けとして、両者は戦争状態へと突入する。
異星人は総数こそ百万にも満たず、圧倒的な数の不利があったのだが、ナノマシン、反物質、修復も含めて全自動の戦闘兵器など、地球より遥かに進んだテクノロジーを駆使し、日本の総数一億二千万を相手取って互角以上の戦いを繰り広げてみせる。
それだけでなく、異星人は人間と外見的な特徴が酷似しているにもかかわらず、身体能力には数倍の差があった。具体的には、獣並の速度で走り回り、鉄骨を容易にへし折り、弾丸を皮膚で跳ね返す。人類側は非常な不利を強いられ、このまま負けは免れないかに思われた。
そこで明らかとなったのが、“異星人の弱点が銀である”という事実。銀による刃物や弾丸ならば、通常兵器をものともしない異星人でも簡単に傷つけることができた。これにより、戦局は五分にまで持ち直すことになる。
そして流れは総玉砕へいたるまでの殲滅戦へ…というところで事態は思いもかけなかった展開を迎える。異星人側のトップと、日本のキャリア官僚がそれぞれ手を結び、尽力したことで、不可能かと思われた講和をなすことができたのである。
こうして人類と異星人は共に手を取り合い、共に築く平和への道を歩み始めることとなった。
これは、異星人・アポストリの少女と、アポストリを憎む少年の物語である。

というのがあらすじとなる。
アポストリは外見的特徴として赤い虹彩を持っており、そのすべてが女性体で、美人もしくは美少女しかいないということも付け加えておく。
そのうえ成人を迎えると、そこで身体の成長が完全に止まる。老化しないのだ。
彼女たちの施政機関である評議会、その上層部ともなれば、幼い顔立ちに未成熟な肉体、それでいて老獪な精神を持つという、いわゆるロリババアだらけである。

そんな素敵に無敵な設定を持つ物語なんですが、主人公とヒロインのやりとりが非常に甘酸っぱいというのを魅力のひとつとして挙げておきたい。
お互い想い合っているのは傍から見ると一目瞭然なのだが、それには互いに気付いていない。
アポストリの生殖方法は人間と比べてかなり特殊なのだが、人類の概念で言うところのセックスも一応は可能なようで、行為に対する羞恥心も持っているようである。
だから、構図としては素直じゃないふたりを主役としたラブコメである。
女の子が超強くて、戦闘になると彼女が主に戦うというあたりはちょっと新しいかもしれない。しかも武器は使わない。大抵素手で殴り倒している。

さて内容からは少し外れるのだが、いつだったかの記事に「読者に違和感を与えない文章が私の理想だ」というようなことを書いた覚えがある。
私にとってのその理想を体現しているのが、実はこの作品の著者氏だ。
ストーリー、設定、文章。言ってしまえば作品そのものにおける“矛盾のなさ”が、持ち味として誇れるほどに徹底されている。
一般小説は恥ずかしながらあまり読まないので比較ができないのだが、ことラノベに限ってならば、この作品ほど矛盾を廃してあるものはそうそうないだろう。
それは傾斜にそってただ流れゆく水のようですらある。本シリーズの読みやすさの秘密は、その矛盾のなさにあるのだと思う。

正直に言うと、このシリーズは人に勧められるほど魅力にあふれた作品というわけではなかったりする。
いろいろと工夫を凝らしてはあるが、大体の設定はどこかで見たことがあるようなものの焼き直しであり、キャラクターも悪く言えば凡庸だ。
けれどこの作品は、びっくりするくらいに読みやすい。
個人的には、そこを高く評価している。
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テーマ : ライトノベル書評
ジャンル : 本・雑誌

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