スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ソードアート・オンライン3を読んだ

ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)


著者は川原礫。
イラストはabec。
サブタイトルは「フェアリィ・ダンス」。
読むとオンラインゲームを遊びたくなるシリーズの第三巻。

本編たる第一巻、サブストーリー集たる第二巻。
続くこの三巻は、一巻の続編となっている。あの幕引きの後、どう続くかが語られているのだ。

ソードアートオンラインの物語は、一巻だけで完全に完結している。だから短編集によって隙間を埋めることはできても、ストーリーそのものを続けていくことは難しい。そんな風に思っていた時期が、私にもありました。
同様の思いは多くの読者も抱いていただろうし、他ならぬ著者氏も持っていただろう。それに対し、著者氏が出した解答は、「新たなゲームを舞台にすること」だった。

現実世界へ復帰したあと、すぐさまヒロインの元へ向かった主人公だったが、彼女はいまだ醒めぬ夢の中にいた。原因不明、ゆえに対処法もわからない。追い打ちをかけるように新たな問題まで発生し、絶望の淵に沈みかけた主人公だったが、かつての戦友からの情報によって、ヒロインがあるゲーム内に捕らわれている可能性を示される。
ゲーム名は「アルヴヘイム・オンライン」。ソードアートオンラインと酷似したシステムを持つ、完全没入型MMORPGだ。多大な犠牲を払ってなお、五感すべてをバーチャル空間へ託す快感を、人は忘れ去ることができなかったのである。

舞台を別にしても、本作の方向性は何ら変容を見せていない。
一巻と二巻は、ゲームクリアに文字通り、命を賭ける物語だった。
この三巻は、捕らわれたヒロインの救出に全力を注ぐ物語である。
目的が変わっても、主人公のやることは変わらない。彼はあくまで彼として、目的達成までのあらゆる過程に、持てる力のすべてを賭して当たる。それだけだ。

この単純で王道的なストーリーを支えるのは、練り込まれ、完成された世界観だ。
ゲーム内のファンタジー世界には、現実とは大きな違いがある。魔法を使うことができるし、生身での飛翔すら可能だ。
その大いなる嘘の世界を裏打ちする、真に迫る設定の数々。それらがファンタジー世界に説得力をもたらし、そこで生活するキャラクターたちの輪郭を、くっきりと浮かび上がらせるのである。

加えて、精緻でありながらも躍動的な描写力。
仮想世界の自然や事象を妙なる筆致によって表現し、その中で生きるキャラクターたちを魅力的に描き出している。
戦闘描写の冴えにも陰りは見えないばかりか、その鋭さを増すばかりだ。

この三巻では、一巻とは違って現実世界との繋がりが絶えていない。仮想と現実、ふたつの世界を行き来しつつ、両方の物語を同時進行で綴っていく。
複雑になりそうな構成だが、読んでいてそうとは感じさせられない。これも練り上げられた世界観と設定と、卓越した描写力の賜物と言えるだろう。もっと言えば、著者氏の技量のなせる業である。

残念なことにと言うべきか、ありがたいことにと言うべきか。物語はまだ終わらない。次の巻へ続くというところで筆が置かれている。
本作の続きがまだ読めるということはありがたくもあり、しかしながら一気呵成に読んでしまえないことが残念でもあり。
次巻発売は早くとも来年春以降になるだろう。待ち遠しい事いと限りなし、である。
関連記事

テーマ : ライトノベル書評
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリー
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
最近の記事
リンク
おすすめ品

少女セクト 1
少女セクト 1
感想

少女セクト 2
少女セクト 2
感想

君が僕を
君が僕を
感想

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
感想

劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)
劇場版 「空の境界」Blu-ray Disc BOX(通常版)
感想

リトルバスターズ!エクスタシー 初回限定版
リトルバスターズ!エクスタシー 初回限定版
感想

円環少女
円環少女
感想

ALL YOU NEED IS KILL
ALL YOU NEED IS KILL
感想

RSSリンクの表示
ランキング

FC2Blog Ranking

人気ブログランキングへ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。