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飴色紅茶館歓談1を読んだ

飴色紅茶館歓談 (1) (IDコミックス 百合姫コミックス)


作者は藤枝雅。
知人が絶賛しているのを見て読んでみたいと思っていたのだが、Amazonでなかなか在庫ありにならず、手を出すのが今頃になってしまった。
装丁はかなり凝っている。というか、一迅社の単行本のなかでもトップクラスじゃないかと思うくらい。
関わる人々の、この作品に対するこだわりの深さが感じとれて、好感が持てる。

内容を語る前に書いておきたいことがひとつ。
私は藤枝雅氏の作品は、短編しか読んだことがない。
百合姫Sに載っていた声優のエピソードなんかがそれにあたる。
よってごく正直に言えば、氏の作品に対して良いとも悪いとも感じていなかった。
読む作品のことごとくが短いものだったので、評価を下せずにいたのだ。これまでは。
ただ、忌憚なく言わせてもらえば、短編作家としては決してうまい方ではないと思う。

そう、「短編作家としては」だ。
そもそも4とか8ページ程度でまともに話を組み立てろってのが無茶な話である。
ギャグならともかく、心の動きの機微が魅力のひとつにも挙げられる百合において、ページ数が多すぎるならまだしも、少なすぎることは障害以外の何物でもない。

ともあれ、藤枝雅氏が長編でどういった物語を描くのか、私は想像もできないでいたし、だからこそ興味があった。
そんな過程を経て本作を手に取るにいたったという次第である。

そしてようやく本題である本著の内容評価に入るわけだが、端的に言って良かった。
ただ良いだけじゃない。
予想をはるかに超えて良かったのだ。

百合とは関係性を表す言葉であり、精神性を指す単語であり、距離感を示す記号である。
この認識は私の頭のなかにあるもので、一般的な百合のイメージと重なるかどうかはちょっとわからない。
ただそんな私の認識に照らし合わせて考えてみると、これほど「百合」と呼ぶに相応しい作品も珍しいなと、そう思った。

わかりにくい例えをあえてするなら。
踏み込んで斬るなら、その機会は一度でいいのだ。何度もはいらない。
心を奪う必殺の一撃は、最後の最後にただ一太刀あれば、それでいいのである。
それを地でいってるのがこの作品だ。

主人公とヒロインは、友人というには少しぎこちなく、雇用主と労働者で分けるには親密で、姉妹というにも無理がある。
かといって保護者被保護者というほど歳は離れていないし、依存しているのはむしろ年長である雇用主の方だ。
関係性を表す言葉は数多くあるけれど、ふたりのそれに、ぴたりと当てはまるものは、今のところ見当たらない。
本作は、それを探していく物語だ。
主人公とヒロインとで、少しずつ、ゆっくりと歩いていきながら、自分たちを表す言葉を探していく。
育んでいく。織りなしていく。
そんな表現がよく似合う、春の日向のように優しい物語。
そういうところが、私をしてなにより百合と呼ぶに相応しい作品と言わしめる所以である。
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テーマ : 百合
ジャンル : アニメ・コミック

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